あしだ、マナがいない

芦田愛菜

 年が明けたと思っていたところなのに、もう2月。今年も12分の1が終わってしまった。
 1月スタートのドラマは、深夜の「闇金ウシジマくん」の別格的な面白さを除くと、不作の感が否めない。柳の下の何匹目かのドジョウを狙った、チーム・バチスタ医龍はさすがに飽きがくる。久々に野島伸司らしさが発揮された「明日、ママがいない」には惹かれるところがあったが、関係筋からの大クレームにより方向転換を余儀なくされている。当事者であれば難癖つけたくなる気持ち、わからなくもないが、個人的には"表現の自由"の範疇だと思う。あのレベルが放送できないなら、地上波はますますつまらなくなる。何に対してもクレームをつける風潮、中国や韓国のそれに酷似しているようでいけすかない。
 と、取り巻く状況はさておき、芦田愛菜の演技が鼻について仕方ない。演技として許容できる範囲を超えて、わざとらしいことこの上ない。体は小学生なのに、演技力だけ大人になってしまって、役者としてのバランスを大きく崩してしまった。かの天才子役も、己れを客観視することが出来ないようだ。周りの大人が軌道修正してあげないと、役者人生が子役で終わってしまいそうだ。
 …慣れてきたものの、日差しはいつかの風を運んで、すぐに夏を連れてきそうだ

損して得とる

tetsuo_hara2014-01-24

 音楽データの違法ダウンロードが横行しているが、へヴィメタル界の重鎮アイアン・メイデンもその例に漏れない。データに鍵をかけたり、違法サイトをしらみつぶしにしたり、対処法はさまざまだが、アイアン・メイデンがとった手法は、それらとは全く異なったもの。統計を取ると、メイデンの曲は南米で多く違法ダウンロードされていた。そこに眼を付けたバンドは、あえて南米サンパウロでライブを行う。結果、チケットはソールドアウトし、グッズはバカ売れ。規制しか考え付かない頭の固い連中を尻目に、その日だけで258万ドルもの収益を上げた。さすがは稀代のベーシスト、スティーブ・ハリス。発想の転換の賜物である。
 ところで、最近また、歯の治療で歯科通院している。アイアン・メイデンのバンド名の由来は中世の拷問器具なんだけど、歯科助手が俺の口に突っ込む型取り器具と型を取る様子は、まるで拷問そのものだった。
 …これが最後のシーンだって思えないが、ほら最後のメロディーが鳴ってる。これが最後のセリフなんて思えないが、刻まれるのはこんなもので

フルーツカクテルとバーニャ・カウダ

バーニャ・カウダ

 横浜を旅したときに、バーニャ・カウダ推しの店で酒を飲んで以来、すっかりバーニャ・カウダのファンになった。アンチョビとガーリックとオリーブオイル。魚とニンニクなんだから相性が悪いはずもないんだけど、それをオリーブオイルが丸め込む。サイヤ人スーパーサイヤ人に覚醒するかのごとく、サラダはたちまち別次元の味に進化する。
 3月のライオンを読んでみた。将棋を扱った漫画で、ハチミツとクローバーの作者なので画風はどちらかと言うと少女漫画風なんだけど、対局シーンの描写は、月下の棋士に通ずる狂気を感じる。月下の棋士は、生活感を徹底的に排除して硬派を貫いているが、3月のライオンは私生活ともしっかり向き合っている。
 …木漏れ日が今、きみを照らしていた。溢れるように鼓動が聞こえていた。ただの未来がこれほど愛おしいのか。教えておくれ、おれは今、何を云おう

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

タマサンカの戯言

アボカドベジー

 昨日、年が明けてから初めてSUBWAYのサンドイッチを食べた。メニューはもちろんアボカドベジーである。山ほどサンドされたシャキシャキの野菜をばりばりむしゃむしゃ食べていると、現代人が忘れつつある動物本来あるべき野生の記憶を取り戻すかのような快感に浸れる。アボカドは野菜との相性が抜群に良く、パンチの効いたワサビドレッシングが食欲にますます拍車をかける。オリーブも良いアクセントになっている。
 そもそも俺はオリーブが苦手だったんだけれど、ブライトリングメンバーズサロンでワインのあてに出されたオリーブを食べてから、俺の中のオリーブ観が180度回転した。どこがどう美味しいのか具体的に説明するのはものすごく難しいんだけど、ぐにゅっとした独特の食感と、強からず弱からずの酸味は妙にクセになる。とにかく言えることは、俺は、苦手なものを克服できる、成長し続ける30代だということ。
 昨年末、もっとも笑ったニュースは、マンデラ元大統領の追悼式典で、オバマ大統領の講話を手話通訳士がデタラメに通訳した、という話。オバマの意に反し「さあパーティをはじめよう! 大きい魚、小さい魚、確かに演説は退屈だ」みたいに訳されたらしい。あれだけの大イベントでインチキを働いたことも驚きだが、通訳するさまが威風堂々としているところが笑いを増幅させる。
 …きみが指差していたもの、間違っちゃいないのかも。誰が信じてあげなきゃいけなかったんだ?

ザ・スターリン

泉谷しげる@紅白歌合戦2013

 正月の地上波は、芸人ブーム以降、芸人のネタ見せ番組は一年中やっているから、正月だから特段それを見たいとも思わなくなったし、天皇杯は仕事で見れなかった。箱根駅伝には全く興味がない。「最高の離婚」のスペシャルが唯一楽しみだ。
 ロンドンパンクは、思想も音楽性もファッションとしても好きなんだけど、日本のパンクバンドはうわべしか知らなくて、「人の不幸は大好きさ」と歌うデビュー直後のBOOWYや、反骨精神に富んでいた初期の電気グルーヴあたりが、俺にとっての国産パンクバンドみたいなものだった。その程度だから気が付かなかったんだけど、紅白の時に泉谷しげるがジャケットの下に着ていたのは、ザ・スターリンのロゴが入ったT−シャツだった。日本では五指に入るレジェンド的パンクバンドのスターリン。ボーカルの遠藤ミチロウが本県出身であることを誇りに思う。
 …凍えるように膝を抱えて、外の世界を爪で引っ掻いていた。遠くの未来に押し潰されてしまう。あまりにも、あまりにもかけがえのない

労働コーリング

ロンドンコーリング

 今年の元日も出勤だったんだけど、同業者で元日に出勤するのは割と稀なほうで、割と稀な元日出勤が4年も続いたのだから、極めて稀と言える。
 とは言え、元日勤務は決して忙しくはない。忙しくないうえ、「正月からお仕事なんて大変ですねー」などと労いの言葉をもらったりして、決して悪い気はしない。
 紅白歌合戦は、全てではないがある程度見た。1曲1曲に興味はないが、あとあと何かと話題になるから見ておいた。アーティストのキャリアを考えたとき、あの場所に出てくるタイミングとしてはmiwaの一人勝ちという気がした。泉谷しげるは期待したほどではなかった。ゴールデンボンバーももクロにはそれなりに楽しませてもらった。48グループが他の演者のサポートでバックを務めると、途端に昭和のキャバレー感を醸し出す。他の出演者が過去を向くのに対し、唯一Perfumeだけは未来を向いている。
 正月のこの浮ついた感じは、あと何日続くのか。
 …きみが苛立っていたのを、吐き出してないものを、預かっているのは、他の誰でもない

労働CALLING

労働CALLING

こたつむり

LINE

 和室のこたつでごろごろしていたら、貼るタイプの使い捨てカイロが放置してあって、ゴキブリホイホイのトラップにハマるチャバネゴキブリのごとく、俺の髪の毛がカイロの粘着面にへばりついた。慎重に剥がしたものの、太めの毛が5本抜けた。毎日のミノキシジル養毛の努力が、一瞬で水の泡に消えた。
 ネットでSLAYERの記事を漁っていたら、ギタリストのジェフ・ハンネマンが右腕を毒蜘蛛に噛まれ、療養中に肝硬変で死亡していた。デイヴ・ロンバードがバンドに戻って喜んでいた矢先の出来事に落胆。ジューダス・プリーストからもK・K・ダウニングが脱退したし、伝説的バンドにも終焉が近づいている。
 「どうせメールと電話しかしないから」と未だにガラケーも人気だ、という話だが、ホリエモンも絶賛したLINEの快適さを一度味わったら、もうガラケーには戻れなくなるだろう。DSにも移植されたパズドラは、円熟期を過ぎて迷走しはじめた感がある。パズドラに限らず、RPGと聞くとコツコツレベル上げにいそしむ俺は、根っからの日本人なのであろう。
 業者さんからいただくカレンダー。来年は、今年よりも3〜5倍は量が多い。アベノミクス効果で広告宣伝費を惜しまなくなったのか。諸事情あって、正月を自粛する俺は、いつもと少し違う年末年始を迎えている。年賀状作りの重圧がないことは例年と大きく違う。ただし有馬記念を当てられないのは例年と同じである。
 地方局の女子アナは妖魔の巣窟である。印象に残らない地味顔はまだ良いほうで、有田哲平ばりにシャープかつ少しカーブした顎を持つ者もいれば、「鼻にんにく」の異名をとるAKBの柏木由紀の比じゃないほど立派な鼻をもつ者もいる。彼女らが、これ見よがしに流行語大賞受賞ワードを使うさまには寒気をもよおす。
 …きみは丘に立って、空に手を拡げて、星さえも掴んで、何も知らぬままで