あしだ、マナがいない

芦田愛菜

 年が明けたと思っていたところなのに、もう2月。今年も12分の1が終わってしまった。
 1月スタートのドラマは、深夜の「闇金ウシジマくん」の別格的な面白さを除くと、不作の感が否めない。柳の下の何匹目かのドジョウを狙った、チーム・バチスタ医龍はさすがに飽きがくる。久々に野島伸司らしさが発揮された「明日、ママがいない」には惹かれるところがあったが、関係筋からの大クレームにより方向転換を余儀なくされている。当事者であれば難癖つけたくなる気持ち、わからなくもないが、個人的には"表現の自由"の範疇だと思う。あのレベルが放送できないなら、地上波はますますつまらなくなる。何に対してもクレームをつける風潮、中国や韓国のそれに酷似しているようでいけすかない。
 と、取り巻く状況はさておき、芦田愛菜の演技が鼻について仕方ない。演技として許容できる範囲を超えて、わざとらしいことこの上ない。体は小学生なのに、演技力だけ大人になってしまって、役者としてのバランスを大きく崩してしまった。かの天才子役も、己れを客観視することが出来ないようだ。周りの大人が軌道修正してあげないと、役者人生が子役で終わってしまいそうだ。
 …慣れてきたものの、日差しはいつかの風を運んで、すぐに夏を連れてきそうだ