岡村靖幸完全復活

トマ美ちゃん

 今年行われた「むこうみずでいじらしくて」という岡村靖幸のツアー映像を見る機会がいあった。渡辺美里や吉川晃司や川本真琴一青窈や、変わったところでは亡くなった桜塚やっくんに楽曲を提供し、自身もシンガーとして大成功を収めているんだけど、覚せい剤取締法違反で3度逮捕されており、表舞台に返り咲くのは無理かと思っていただけに、華麗なる復活には嬉しい限り。
 和製プリンスと称えられた若かりし頃からダンサンブルなステージは、見ごたえ満点だけれど荒削りで我流。才能だけでステージをこなしているという感じだった。先日見たツアー映像は、類い稀な才能に技術が加味されて、一瞬たりとも目を離せない繊細かつダイナミックかつドラマチックで洗練されたステージだった。おそらく、ブレイクダンスの基本を勉強しなおしたと思われる。もはや鬼に金棒。大衆志向のエグザイルあたりとは一線を画す。
 曲は、甘酸っぱい青春時代と、大人のエロティシズムが特徴なんだけど、艶っぽいヴォーカルにますます磨きがかかっている。変態と紙一重のセクシーな部分にギリギリ位置しており、「氷室京介は存在しなくても腹鉄男は存在したが、岡村靖幸の存在なくして腹鉄男は存在しなかった」と言われる所以は、その変態性にある。
 圧巻は、川本真琴に提供した「愛の才能」の岡村靖幸バージョン。アレンジと歌い手が変わればこんなに雰囲気が変わるのか、と驚く。日本人にはない感性、リズム感、ほとばしる才能に、改めて感化された。
 テレビやラジオや折り込みちらしの、怪しい通販に、消費者庁が気まぐれでたまに処分を下す。最近だと「夜スリム トマ美ちゃん」のダイエット効果に、宣伝されるような効果はないとして、景表法違反を指摘された。あの手のサプリメントは九分九厘怪しいんだけど、喜びのお便りとかネットの口コミも、ほとんどがねつ造と予想できる。かく言う俺も、効用の高い毛生え薬を探して、日々ネットを徘徊する馬鹿な消費者である。俺の調べた限り、ミノキシジルに頼らざるを得ないのが現状か。
 …叶ったのは、叶ったのはどの夢。決まっていたカタストロフのような。探していた、探していた答えも、見失うのは、ここがエデンだから