枠にはまるな。

枠にはまるな。

 サマソニの時の電気グルーヴの映像を見る機会があった。テクノのことはよく知らないけれど、「これぞテクノ」という圧巻のステージ。役者業に片足を突っ込んでいるピエール瀧は、テレビで見るとぼけたキャラとはまるで別人。リズムと同化していて、オーディエンスの煽り方が絶妙。かと言って、決して媚びる感じではない。日本ではあまり見ないタイプの、すごいフロントマンだ。石野卓球の先鋭的センスは、どのジャンルでも通用しそうだ。
 先日は、東京モーターショーを観て、ついでに横浜まで足を延ばして遊んできた。初日はみなとみらい周辺で酒を飲んで、ランドマークタワープロジェクションマッピングを見て、2日目は八景島シーパラダイス海獣たちと戯れて、最終日は、赤レンガ倉庫で「世界一の朝食」と言われるブレックファーストを食べ、カップヌードルミュージアムジーン・シモンズのイラスト入りのオリジナルカップヌードルを作ったりした。久々の首都高も、2日目の午後にやっと感覚を取り戻した。みなとみらい周辺は遊ぶところが多くて楽しすぎる。
 今年の流行語大賞は、「お・も・て・な・し」、「じぇじぇじぇ」、「今でしょ!」、「倍返し」の4語が同時受賞。NHKとTBSが調子に乗りすぎないことを願う。流行語じゃないけど、ここ最近でもっとも胸を打たれた言葉は、東京モーターショーのHONDAのブースにあった「枠にはまるな。」。パンクやロックの精神にも通ずるものがあるんだけれど、やみくもに枠からはみ出すのではなく、その先には、未来をおもしろくするためにという明確なビジョンがある。
 …こどもたちの願いは、どこか遠くの歌になった。人々は天に怯え、壁を積み上げて