非日常から日常へ

　旅行から帰って、待っていたのは厳しい日常だった。まずは、歯科に行って歯を抜いた。痛みは麻酔の痛みだけだが、喪失感がハンパない。続いて、健康診断。胃の透視検査では、初めてバリウムを飲んでみた。最近のバリウムはおいしく飲めるだとか、あ、やっぱりまずいだとかいろいろ聞くけど、俺の感想としては、根本的に飲料ではないので、体がそれを拒絶する感覚をおぼえた。うまい、まずいを超越している。歯科と健康診断もさることながら、加えて仕事のほうも忙しくなってきた。
　会社では、微笑ましいことも。敷地内で猫の赤ちゃんが保護されて、仕事どころじゃなくなるぐらい可愛がられた。生後ひと月半のオスの雑種だそうで、社員の一人が引き受けて飼うことになった。
　うちに遊びにくる野良猫のくつしたは、数か月前に出産したっぽかったが、ついに赤ん坊を連れてきた。「くつした」の名前の由来は、文字通りくつしたを履いたように足の途中から先が黒いところから来てるんだけど、その子どもたちは一匹としてくつしたを履いていない。しかし、動きから鳴き声に至るまですべてが可愛らしい。ただし、人間に対して警戒心は強く、撫でたり抱いたりすることは叶わない。くつしたの子は徐々に活発化し、うちの花壇はめちゃくちゃにされた。
　スカパーが無料キャンペーン中である。スラムダンクをたまに見るんだけど、翔陽高校戦での三井寿（画像）の奮闘に、目頭が熱くなった。
　…いっそ携帯なんて捨ててしまおうかと思うけど、電話帳にいくつもの名前が入っていて、まるで友達を携帯しながら生きているような、そんな、変な僕です