ap bank fes’12

tetsuo_hara2012-08-19

 この夏の楽しみのひとつ。ap bank fesに参加してきた。
 主催者から注意事項などの説明が行われたあと、アーティストが登場。bank bandが数曲やって、ナオトインティライミの登場。己れの単独ライブの宣伝をしていたので、チケットの売れ行きは苦戦していると予想する。キャラは軽薄だが、桜井和寿氏に見出されただけあって、歌はたしかに上手い。このあと、スキマスイッチポルノグラフィティ、吉川晃司と続くが、腹が空いたのでフードエリアへ移動。祭りの露店とは一味違った珍しい店が軒を並べていて、どれも美味そうだ。友達はアジの冷汁茶漬け、嫁は梅じそ豚バラご飯をチョイス。味見させてもらったが、どちらも美味い。前の晩あたりから無性にカレーを食べたくなっていた俺は、地球を救うカレーを食べた。普通のカレーで普通にうまい。
 ステージに戻ると、吉川晃司がモニカを歌い終えて再びbank bandに。小沢健二の超名曲「僕らが旅に出る理由」のカバーがすごく良かった。今、日本で一番稼いでいるベーシスト、亀田誠治のベースが際立つ曲でもある。
 休憩をはさんで、ACIDMANの登場。ほとんど予備知識がなかったけど、出演アーティストの中で演奏力がずば抜けていた。ボーカルも礼儀正しくて印象が良かった。ブレイクするかと言われればしないだろうけど、固定ファンがついて息が長いバンドになる予感がした。
 再びインタバルがあって、くるりの登場。「東京」、「ワンダーフォーゲル」とおなじみの曲が続き「chili pepper Japonês」などが演奏される。まったくもって意味不明な曲だが、そこが良い。岸田繁のとぼけたMCがたびたび入り、後半戦は「ばらの花」から。くるりは「ばらの花」の印象が強すぎてしっとりしたバンドかと思っていたが、この日のステージを見てイメージががらりと変わった。パフォーマンスもMCも凄くて、ロック然とした曲からプログレッシヴな曲まで引き出しがすごく多い。俺がくるりに対してあまり良いイメージを持ってなかったのは、はっきり言って宮藤官九郎が原因なのだ。映画「少年メリケンサック」の中で、メガネをかけたロックミュージシャンを明らかに揶揄するシーンがあって、それ以来俺は、くるりアジカンを冷ややかな目で見るようになってしまった。くるりがこんなに良いバンドだったのは嬉しい誤算だ。
 最後のインタバルの後は、トリのMr.Children。パフォーマンスについては今更語るまでもないが、フェスだと10曲程度しかやらないので、熱烈なファンからすれば物足りないか。
 アンコール後、ポルノと吉川晃司以外の出演者が出てきて、bank bandの「to U」を熱唱。各出演者が輪番で歌うんだけど、ACIDMANのオオキが一番歌がうまいと思った。
 このフェスの特徴は、エコをテーマにしていること。食器を持参させたりする取り組みが、地球環境にどれほど配慮しているかと言えば、焼け石に水だろうけど、エコに対する意識づけとしてはそれなりに効果があると思うしかない。もう一つの特徴は、7割ぐらいがミスチル目当ての客という点。夏フェスに参加したのは初めてだったけど、自分のペースと嗜好で楽しめる雰囲気は相当楽しいと思った。
 …迷子が出した答えの数だけ道ができた。道が交じったとこに諍いが生まれたんだ。いつだって、勝者が遺した言葉が歴史になった。そう、僕みたいな敗者が残した言葉なんか、けむに巻かれてゆく。流れてゆく。葬られてゆく