パラダイス・ガレージ

百年の孤独

 盛り上がりに欠けると思われたロンドン五輪も、開会式に先駆けて行われた男子サッカーが強国スペインを下したことで、一気にヒートアップした感がある。
 ロンドンと言えばロックの聖地であってパンクの聖地でもあるんだけれど、開会式はそれほどロックロックした感じではなかった。それこそ、ジョニー・ロットンが登場して「God save the QueeeeeeeN!!!」とでも叫ぼうものなら俺の血もたぎったところだが、大方の予想通り、美容整形に失敗した中年女性みたいな顔をしたポール・マッカートニーが、ヘイジュードを歌って終わった。ローワン・アトキンソンの起用もサプライズというほどではない。モハメド・アリに至っては、パーキンソン病がだいぶ進行した、という印象。せめてブライアン・メイぐらいはギターを抱えて出てきてもいいように思えたが、それは閉会式まで温存か。
 開会式の演出方法は、先進国と途上国との差が出たように思う。失敗を恐れずに奇をてらうことも厭わないド派手演出が途上国だとすれば、四暗刻を崩してでも三暗刻であがろうと手堅く進めるのが先進国。
 ちなみに、ジョン・レノンが前妻シンシアと破局した際に、二人の間にできた息子ジュリアンを励ますためにポールが書いた曲が、今では超名曲に数えられるヘイジュードである。
 優勝候補スペインを破った日本。アトランタでブラジルを破った"マイアミの奇跡"に準えて、"グラスゴーの奇跡"と報じるマスコミもあるが、今の日本の実力からすれば単なる番狂わせと言ってよい。俊足FWの永井選手は海外でもすごい評判で、最終的には、「ナガイハ、ニンジャ」ということになったらしい。
 ところで、早い段階で行われる柔道の軽量級で日本人選手がメダルを取りまくると、日本人ばかりにメダルを独占させるわけにはいかないという風潮になって、開催の進む重量級では日本人選手に対して審判が厳しいジャッジを下す傾向にあるそうだ。かつて、篠原選手が疑惑の判定に泣いたのもそのせいか。
 「お座り」を覚えた野良猫のくつした。甘えっぷりはますます過熱して、そろそろ嫁とか俺の顔をぺろぺろっとやりそうな勢い。見た目は猫かタヌキだが、中身は犬かもしれない。
 2週間前に家の車庫でBBQをやったところなんだけど、明日もまたBBQの予定。「百年の孤独」は、一応焼酎に分類されているが、ほとんどウィスキーみたいなノリ。40度もあるとは反則。びびって一杯しか飲めなかった。
 …母の腹を裂いてまで、出てきたこの娑婆、この世界に、母の痛みに見合うだけの、意味を、意義を、遺せる気もしなくて