ブラックデビル

スマホ

 それはそれでゴールデンウィークを楽しんでいる。
 震災以降、初開催の福島競馬に行ってきた。9レースから参戦して、結論から言うと収支はマイナス。大体は三春駒をあしらったゴール板のところで観ていたんだけれど、春の陽気が気持ち良かった。メインの「福島民友カップ」には、お気に入りの逃げ馬テイエムオオタカが出走。一番人気に推されたが、ドリームバレンチノの後塵を拝して2着に終わる。この日、京都で行われた天皇賞は、断トツに支持されたオルフェーブルが歴史的大敗を喫し、大荒れとなった。次の福島開催は夏のくそ暑い時期。また行きたいと思った。
 競馬のあと、三春町の滝桜というものを初めて見た。はっきり言ってテレビで見るより数倍良かった。折れないように、枝という枝に添え木が据えられている姿は痛々しいとも言えるが、花をつけた姿は荘厳そのものだった。興奮したご婦人が、遊歩道からはみ出た場所に座り込んで、「58年間生きてきたけれど、滝桜を見た今日が一番楽しかっただっぺ」などと、誰かに電話をかけていた。
 スクリーンで「テルマエロマエ」を見た。原作も知らないし、予備知識もなかったが、笑い声が漏れるほど面白かった。銭湯の客の爺さん連中と、阿部寛との絡みがこの映画の肝である。
 映画版「モテキ」を観た。ストーリーの重厚さと小ネタの密度ではドラマ版のほうが数段上だが、ピエール瀧が本人役で登場したり、エンディングにスチャダラパーのライブが流れたり、サブカル好きにはたまらない内容だった。リリー・フランキーの重要度が、ドラマ版よりもさらに増している。
 世の中の流れに逆らって、死ぬまでフィーチャーフォンを持ち続けようかと思ったが、思うところあってスマホに換えた。GALAXY NOTEの登場で、5インチが主流になるのではと言われているさ中、俺が選んだのは3.3インチと小型のもの。いわゆる"三種の神器"のうち、ワンセグとオサイフが欠けていること、ストレージが小さいこと、LTE非対応であること、防水仕様ではないこと、などの諸々のウィークポイントを差し引いても、操作性、サイズ、デザイン等、すごく気に入った。通称ブラックデビル(画像)。 
 …僕はもうダメなんだ、神様の失敗作。どこで何を間違えたんだろう、答え合わせでもしよう。でも待ってよ、もしかしたら、この世界ははじめから、失敗作や、でくの坊の、放り込まれたゴミ箱