やさしくなりたい

家政婦のミタ

 今クールのドラマも中盤から終盤へ差しかかっているが、TBSが大仰に売り出した「南極大陸」が大苦戦して、前評判が散々だった「家政婦のミタ」が超高視聴率をマークしている。豪華なキャストを並べただけの南極大陸はスケールを大きくしすぎて全体像が見えにくい。ドラマというより、スクリーン向けの題材に思う。「家政婦のミタ」は、冷徹な松島菜々子の特異なキャラクターが取り沙汰されるが、長谷川博巳のダメな父親と、平泉成の頑固な義父とのぎくしゃくした関係が、実はストーリーのキモでもある。斉藤和義のエンディングテーマもハマっている。
 「私が恋愛できない理由」は、吉高由里子の台詞の一つ一つに唸らされる。「蜜の味」も、菅野美穂の静かなる狂気に身震いしながら、つい見てしまう。大石静の脚本がしっかりしているせいもあるか。
 俺は、「11人もいる」が気に入っている。宮藤官九郎がペンを執ると、貧乏も悲観的に見えなくなる。追いかけるのに疲れてしまうほど小ネタが散りばめられているのも、クドカンならでは。渡る世間はシリーズは別にして、この手のホームコメディは最近なかったように思う。
 いつものことだけど、クリスマスを経て正月を迎えるにあたり、この時期は慌ただしい。有馬記念で今年最後の運試しをして、「あ、今年もやられた」と言いながら一年を終えるのも毎年同じ。と言うか、あれは秋の天皇賞の3、4日前だったろうか。自販機でジュースを買ったら一本当たっちゃったんだけど、どうやらそれで運を使い果たしたようで、以降競馬は一度も当たっていない。
 …哀しみを明日に変えてゆく。いつだって、そばに君を見て時を刻むんだ。とんだ幻想だ、とどこの誰が言った