裏日本

歩道脇の看板

 5連休の後半は新潟へ。まずは定番のマリンピア日本海へ。イルカショーを後ろのほうで見るが、あれは最前列で水をかぶりながら見てなんぼだ、と思った。ほかには、悠然と泳ぐ亀が印象的。
 正午ごろマリンピアを出て、近くの「ミューズ」というレストランへ。駐車場からレストランへ続く歩道脇に「この付近で当時中学生だった横田めぐみさんが拉致されました」の立て看板(画像)が生々しく立っていた。昼間は良いが、陽が落ちてからは気味が悪くて近づきたくない。ミューズは、日本海を抱える新潟の自然を店内に再現したような内装で、とてもおしゃれだった。和と伊を合体させ、海の幸をふんだんに取り入れたメニューは、どれも興味をそそられる。俺が食べたのはタイメシ。ライスの上には、ドでかいタイの頭。ほどよく味付されたライスがタイの身の味にとてもマッチしている。スライスされたゆずの皮も食欲を邁進させる。いつも昼飯は軽めに済ませる俺だが、この日は昼から腹いっぱい喰った。
 食欲を満たしたところで、新潟競馬場へ。駐車場が無料なうえ、広い。車で行くには福島競馬場よりも新潟競馬場のほうが断然良いと思った。新潟と言えば、平たんで、最後の直線が長いことで有名。平たんだから逃げ馬が有利かと思いきや簡単に逃げ切れることもなければ、直線が長いから差しが決まるかと思いきや、差し馬もなかなか届かない。はっきり言ってぐだぐだ。傾向がまるで見えない。そこへ行くと、開催が進んで芝が荒れた頃の福島競馬場のほうが、ズバッと差しが決まったりして迫力がある。この日は、8レースから12レースまで買ったが、驚くべきことにひとつも当たらなかった。
 競馬場を後にして、地元の神社を参拝したあと、新潟駅前で水島新司の漫画のキャラの像を見物する。山田太郎あぶさんを珍しげに眺める。せっかく像を建てたのに、すぐ横に駐輪場があって景観を損ねていたのは残念である。
 辺りも暗くなり、腹も空いてきた。新潟と言えば米どころ。雑誌に載っていたおにぎり専門店「越後屋」へ。具材は、梅や明太子などの定番から、ウニなど寿司に近いものまで種類豊富。米のうまみもさることながら、海苔もパリっとして香ばしい。そして塩加減が何より絶妙だった。嫁と2人で10個近く食べ、満足して新潟の街を後にした。
 しかし太平洋側を表日本だとすれば、新潟なんて裏日本。米ばかり作っている日本の裏側はさぞ田舎なのかと思っていたが、そこは北陸随一の都市。夜はネオンも眩い。郡山よりもずっと都会だった。
 …どこで覚えてきたのか忘れた。意外ときみが笑うかもしれない。無い知恵しぼった挙句に言った。雨なんて降るはずがない