日本のベスト16と、ドゥンガのファッションセンス

ドゥンガ

 明るい時間は家にいて、暗い時間に仕事という生活を送った今週。日中、テレビのスイッチを入れるとたいてい情報番組が流れていて、W杯での日本の健闘を連日称えまくっている。
 デンマーク戦の快勝は日本人に大きな喜びをもたらしたが、結局セットプレーでしか得点が奪えないというジレンマを感じた。日本の3点目は一応流れの中から生まれた得点だったが、尻に火が点いたデンマークがパワープレイで前掛かりになっていたことを差し引いて考えないといけない。決勝トーナメントのパラグアイ戦は、堅守速攻という似たもの同士の顔合わせで、得点の匂いがあまり感じられない凡戦となった。「今こそ森本を!」と心の中で叫んだが、交替で出てきたFWはまたもや玉田と岡崎。せめてもの救いは、中村憲剛の投入で、攻撃にダイナミズムが生まれたことか。思えば、"カミカゼシステム"とオシム前監督が名付けたシステムでは、中村憲剛が中盤で攻撃のタクトを揮っていた。
 PKを外した駒野選手に話題が集まるが、もっともっと惨めなのは直前までチームの中心でありながら、いきなり蚊帳の外に置かれた中村俊輔である。
 岡田ジャパンの陰のMVPを、選手のコンディションをあの状態まで高め、そして維持させることに成功したフィジカルコーチに贈りたい。
 国が敗退して話題になるのは、活躍選手の海外移籍話と、次期代表監督のことである。移籍市場における日本人選手の目玉は、運動量が尋常ではない長友佑都か。たしかに運動量は世界的にも類を見ないが、クロスボールの精度はもう少し磨きをかけたいところである。次期代表監督は、一部の新聞ではチリを率いたマルセロ・ビエルサと報じられている。今大会のチリを見てもわかるとおり、「戦術オタク」などと呼ばれるビエルサのサッカーは、スペクタクルでとにかく面白い。ブッフバルトよりはずっと良い。
 ちなみに優勝国は、個人技が組織に活かされ、組織が個人技を活かすブラジルと予想する。ブラジルの欠点と言えば、ドゥンガ監督のファッションセンス(画像)ぐらいしか思い当たる節がない。
 阿部真央を買ってみた。久々に凄い女性アーティストを見つけたという感じ。エネルギッシュなロックチューンを歌ったかと思えば、コケティッシュな猫なで声で可愛く歌ってみたり、時にはアコギを掻き毟りながら椎名林檎風にエモーショナルに歌ったり。振り幅がやたら広く、歌唱力も非凡で、おまけにルックスも(俺の好みではないが)悪くない。"バンド"という形態を好む俺が、ソロアーティストに傾倒するのは珍しいことなのだ。椎名林檎級とまではいかなくとも、デビュー時の矢井田瞳には軽々と肩を並べられる逸材である。Superflyと阿部真央は、若手女性アーティストでも別格の存在である。
 …屋根のない車で、星のない世界を。止まれない車で、終わりのない世界を。線路ない列車で、味のないポテトを。降りれない列車で、駅のない世界を

ふりぃ

ふりぃ