ロベルト本郷のせいだ

　採用日に私服で出勤してきたゆとり世代のゆとり君。この先どうなることかと思ったが、仕事のほうは堅実である。つい先日も、「やべっ、あれ頼むの忘れてた」って家に帰ってから思い出して、次の日に「そういえばさ、昨日忘れてたんだけどさ…」と切り出すと。「ああ、あれやっときましたよ。ひとこと断ってからやったほうが良かったっすか？」などと、どや顔で言われた。俺のほうは年度内の仕事の見通しがついたので、ゆとり君に社会人としての"いろは"を教え込もうかと思っていたのに、それもおこがましく思えてきて赤面した。
　日テレが視聴率40％超えを狙っていた「崖の上のポニョ」の地上波初オンエア。29.8％と、目標に程遠い結果に終わったが、それでも高視聴率に違いはない。そもそもこの映画、解釈のしかたが色々あって、例えば宮崎駿監督の死生観が現れていて登場人物がすべて死んでいるとか、とにかく難解な作品と言われている。しかし、魚の女の子が人間の男の子に恋をして人間になりたがる、というストーリーの根幹は非常に純粋でごく単純だと思える。俺は、諸事情により終盤の10分程度しか見れなかったが、アニメーションも含めて良い印象しか持たなかった。書籍でも音楽でも映画でも、後世「名作」や「傑作」と語られるものは、発表当時はたいがい物議を醸したり酷評されたりすることになっている。ポニョも、10年経てば傑作として扱われていると想像する。
　サッカー日本代表は、ここ４戦の不甲斐ない試合内容から岡田監督更迭論が沸き出した。今さら監督をチェンジしても良い結果が出るとは思えないが、続投させたところでＷ杯ベスト４なんて無理に違いない。結局、更迭はしないようだが、いつの時代も得点力不足には悩まされる。
　先日の「アメトーーク！」は、映画「交渉人」の宣伝みたいなのが嫌で、見ずに寝た。キャプテン翼芸人の回はなかなか面白かった。キャプテン翼は日本のみならず世界にもファンが多い。トレゼゲやフェルナンド・トーレスやジダンやロナウジーニョらもこの作品のファンだという。さらに、リアルサッカーにおいて日本人ＭＦに優秀な選手が多いのは、大空翼がＭＦだったことが影響しているらしい。逆に言えば、日本人ＦＷにろくな選手がいないのはキャプテン翼の影響である。つまり、日本代表が得点力不足なのは、「翼よ、ミッドフィルダーになれ」と言ったロベルト本郷、あんたのせいだ。
　…大いなる流れはいつか海に還るなら、繋いだ想いは、そっと伝えられるだろう。いつかの朝へと