馬の骨

　アップルがデジタル書籍市場に参入すべく、iPadとか言う端末を発表した。俺は紙が大好きだし、紙以外は信用してないから書籍のデジタル化には反対である。しかし、天下のアップルが市場に参入してきたことを考えると、５年後には書籍はすべてデジタル化されている可能性もなくはない。それで10年ぐらい経ったときに誰かが紙で本を出版して「紙!?　こんなに便利なものがあったのか!!」ってまた世の中が紙だらけになればいいなあと思う。
　先週、Ｍステにバービーボーイズが出演した。再結成を知らなかったので興奮したし、この日披露したのが「女ぎつねon the Run」だったからさらに興奮は高まった。しかも、ステージパフォーマンスが全盛期そのものだったことで興奮も最高潮に達する。思えば、杏子は俺たちの世代のセックスシンボルみたいなもので、あんな色っぽい女は他にいないと当時は思っていた。
　バービーボーイズのことをネットでいろいろ調べていたら、ギタリストのいまみちともたかはKei-Teeとバンドを組んでいた（画像）が、二人は一時期結婚していたという記述を見つけた。Kei-Teeは角川慶子が本名で、角川書店を創業した角川春樹の孫娘である。そういえば俺のCDライブラリにもKei-Teeの作品が２枚ある。いまみちともたかと離婚した後、どこかの馬の骨と再婚したKei-Teeは、なぜか「新婚さんいらっしゃい！」に出演していた。たまたま俺はその回を見ていて、番組に不似合いな超美人が出演していると思ったらKei-Teeだったから腰抜かしそうになった。
　冷やかし半分、夢半分で住宅展示場に遊びに行ってみた。４社（４軒）見てきたが、構造はＡ社だけどデザインはＢ社だし使い勝手はＣ社だなあ、とまあ一長一短である。しかし、営業担当者も熱心で、どこの馬の骨ともわからない俺に向かって喋るわ喋るわ。それぞれのところでそれぞれ話をされるから合計４回。お茶もそれぞれで出されるから合計４杯。話を聞くのも疲れるし、お腹はお茶でたぷたぷである。冷やかしもほどほどにしておかないと体が持たない。
　ゲーセンでメダルゲームに興じていたら、俺のことを気にしながらせせら笑う男がいる。見たところ、服装にも髪型にも気をつかう様子がなく、ゲーム以外には頓着がないという感じの小男である。俺はどこの馬の骨ともわからないその小男とは全く面識が無い。俺の斜め後ろにポジションニングした小男は、俺の肩をぽんぽんと叩き「あのゲームの全国ランキング３位って多分俺なんですよ。だって５千枚のジャックポットを10連チャンとかしたんですもん」などと突然いらぬ自慢話をされた。さらに小男は、ズボンの裾をまくりあげて左足の太ももを俺に見せつけ、続いてトレーナーの首を無理矢理引っ張って左半身の胸部も俺に見せつけた。左太ももにも左胸にも大きな傷らしきものがあり、小男はその傷を俺に見せたかったようだ。何なんですかあなたは、ときょとんとしていたら「俺、おばけペンションでこうなったんですよ」とか言われた。おばけペンションと言えば猪苗代の超有名な心霊スポットだから名前ぐらいは知っている。「は？」って返事したら、「おばけペンションで写真を撮ったら左半身が全部消えていて、そしたらこうなったんですよ」と得意気に小男。それが事実であろうとなかろうと、見ず知らずの人にする話ではない。病院に搬送してやろうかと思った。
　ノンアルコールビール、電子タバコ、政治家の答弁、朝青龍の飲酒暴行問題、近所のおやじの髪の毛、ギャルのまつ毛、爪、乳。偽物だらけだよなあ、この世の中。　
　…性能の差。性能に差がある。性能の差はどうしたって埋まらん。排気量の差。愛してるよサッドガール。ハイリターンはないから、バーンアウトしちまったら食わしてくれよ