秋風に薫る黄金の堆肥かな(詠み人知らず)

tetsuo_hara2009-08-26

 残暑が厳しいのは昼間だけで、日が陰ると途端に涼しい風が吹く。秋を思わせる風は、時として堆肥の香りまで運んでくる。嗅覚に猛烈に襲いかかる堆肥だが、良質な農作物の生育には不可欠である。やがて収穫された農作物をむしゃむしゃ食べた人間が排泄し、それがまた堆肥となる。いわゆる"生態系"である。
 ぼちぼち稲穂もこうべを垂れはじめたが、鳥獣の害から田んぼを守るのはもちろんかかし(画像)である。今どきかかしごときに騙されるカラスなんているのだろうか。まあ場合によっては、年老いた農夫はかかしより動きが遅かったりもするのだが。
 衆院選に便乗して「最高裁判所裁判官国民審査」(以下「国民審査」)が行なわれるが、このことについて、俺みたいな素人が考えただけでも問題点が二つ挙げられる。まず一つは、衆院選は公示日から期日前投票が可能なのに対し、国民審査のほうは投票日の7日前からでないと投票できないことである。これにより、期日前投票に早く行き過ぎて国民審査に投票できない、という事態が生じてしまう。投票日の7日前以降に再び投票所を訪れれば国民審査の投票も可能だが、果たしてそこまで関心があるかどうか。二つ目の問題点は、国民審査という制度そのものの圧倒的な周知不足である。どんな裁判官がどんな事件でどんな判決を下したか、それらを認識したうえで投票所へ足を運ぶ人が、果たして何人いることやら。ちなみに国民審査で罷免された裁判官は歴史上未だかつて存在しない。制度そのものの存在意義を問うために、また、裁判官の危機感を煽るためにも、今回は罷免者が出たほうが良いと思っているぐらいだ。
 数ヶ月前から我が家にへばりついて無線LANにタダ乗りしていた中学生。日中にルーターの電源を切っていたことが奏功し、やっと諦めた。と思っていたら、深夜の2時半に来やがって、しかも人の家の敷地(ガレージ)に入ってゲームやってやがった。無線LANのタダ乗りまではスレスレで法に触れないが、ガレージの中となれば住居侵入罪という立派な犯罪である。それも深夜の2時半。ブチ切れて、中学校に電話するとともに警察に通報してやった。十代半ばで人生の挫折を知れ。
 …誰も知らない丘の上、夜の帳が降りてくる。何て真白なこの宇宙。何て独りなこの僕だ。夏の終わりの蜉蝣は、幼き日々の蒲団の匂い