ここの無線ＬＡＮ、オレん家のなんだわ

　ツアー会場でグッズを買う気にはあまりならない俺だが、ユニコーンに関しては俺の感性に響くところがあった。中でもベビースターラーメンは庶民派のユニコーンぽくて良い。メンバーそれぞれの顔写真入りで五連になっているのだが、画像は民生のもの。開封するのが勿体無い。「勿体無い」という言葉はこういうケースで使うのが正しいのだ、とワンガリ・マータイ氏に教えてやりたい。
　この話は前に書いたかどうかももう忘れてしまったし、過去ログを調べる気力もないので調べないが、数人の中学生が俺の家のそばにたむろしてゲームをしている状態が数ヶ月続いた時期があった。不審に思った父が問いただしたところ「この場所がいちばん電波が良いのです」と答えやがった。そのとき父にはピンと来なかったようだが、つまり中学生達は、俺の家の無線ＬＡＮにタダ乗りしてネットワークゲームをプレイしていやがったのだ。俺の弟が「人ん家の無線ＬＡＮ勝手に使ってんじゃねえぞ。もう来んなよ」と言い放ってからしばらく中学生が寄り付かなくなった。
　会議のために久々に本社へ出張したが、相変わらずトマトのヘタを頭に乗せたようなヘアスタイルのメタボ中年がもごもごと喋っただけで、実りある会議とはいえなかった。いささか疲弊して帰宅すると、ほとぼりが冷めたのを見計らうかのように、中学生が俺の家の壁にもたれてＰＳＰをプレイしていた。出張の疲れからか少々おかしなテンションで「何してんの？」と聞くと「あ、ゲームやってんです」といけしゃあしゃあと答えやがるので、「ここの無線ＬＡＮ、オレん家のなんだわ」とまたおかしなテンションで（中田英寿のように「オレ」の「オ」にイントネーションを強く置いて）言ってやると、「あ、すいません」と言って一目散に逃げていった。次に見つけたら通報するか。
　…鋭った風邪を伝染されたまま、キープ・オン・グロウィング。初夏の空は少し笑って、また君を連れ去った