5月病

tetsuo_hara2009-05-08

 白河に転勤して以来、5月ごろ体調を崩すというのがデフォルトになっている。原因は、4月がたいへん忙しく、忙しさの緩んだこの時期に4月の疲れがどっと出るからだという説がある。今年に限って言えば、大型連休に東日本を縦断するかの如く遊びまくったツケではないかと言う説もある。後者だとすれば一点の悔いもないが、首から下は泥人形かと疑うほどの倦怠感と、37度台後半から38度台前半を往来する発熱は忍耐し難く、ついには会社を二日も休んでしまった。おかげで、大型連休と併せると一週間連続で休んでしまったことになる。ちなみに、感染すると「千と千尋の神隠し」に出てくる千尋の両親の如く豚になってしまうと恐れられ、世界的に流行している豚インフルエンザの検査も念のため受けたが、こちらは陰性だった。
 昭和の日に仙台へ行き、久々にステューシーのエリアマネージャーと顔を合わせた。「ちょっとお時間ありますか?」と言うので何事かと思ったら、ハロウィンのときなどに配ったノベルティグッズをわざわざお取り置きしてくれており、得るものの大きい買い物となった。過日、そのマネージャーから丁重に手書きされたハガキまで頂いた。それほど頻繁に通っているわけではないのに、VIP的な扱いを受けて恐縮した。
 もつが喰えないくせにもつ鍋屋へ行き、ご機嫌に大酒を飲んだかと思えば、明くる日は再結成したユニコーン(画像はツアートラック)のコンサートである。BOOWYが解散してから、特定のバンドの大ファンだった記憶はない(俺が多ジャンル不特定多数の音楽を聴き漁ったのもこのためで、皮肉にもそれが音楽的見識が培われる要因となった)が、中でもユニコーンはかなり高い位置に属していた。開演前には1曲目の"ひまわり"で幕が下りた瞬間、坊主頭にした奥田民生の姿が尊師のように神々しく見えた。が、往年の代表曲を演るにあたり「この辺の曲は評価の対象じゃないし」など、MCで口を開けばやっぱり自然体の奥田民生がそこにいた。演奏に関しては、嵐を空へ轟かすギブソン、大地を震わすマグマのドラミング、深海の奥へと突き刺すベースライン、はらはらと降り注ぐピアノは虹をかける、と言ったところか。西川くんこと川西幸一が、ドラムが忙しい曲でもコーラスのときにモニターを意識して顔をつくるところが何とも言えず好きである。阿部Bこと阿部義晴が、あわや民生よりも歌唱力が上かと思うほど巧いのには驚いた。さらにステージパフォーマンスも抜群で、素晴らしいエンターテイナーである。かつてルパン3世のコスプレでテレビ出演などをしていた時期があって、その頃から只者ではないと思っていたが、まさかここまでとは思わなかった。昨今、プロデュース業など裏方の仕事が目立ったが、この人を表舞台に出さないのはもったいないと思った。全体的には、ギミック満載で、(阿部Bが)下品極まりなくて最高のショウだった。また観たいと思ったし、DVD出たら欲しいと思った。
 その翌日は牧場で子牛と戯れてきた。まさか自分が、牛の口の中に手を突っ込むとは思わなかった。
 …露に酔った世界は輝いて見える。そのランプだってもう、いつまで待って燃え上がる?