裸になって何が悪い

 秘策をもって望んだ、春の福島競馬だったが、荒稼ぎするつもりが的中率0%というお粗末な結果に終わった。不振の原因はだいたい特定できている。これまでダートコースの砂の厚みが8センチだったのに、競走馬の安全のためだとかなんだとかで5ミリ増して8センチ5ミリにしやがったから、いままで「キレ」で勝負できていた馬が勝てなくなったのだ。それを裏付けるかのように、ある程度スタミナを持ち併せたロベルト系の馬が上位に来ている。しばらくおとなしくして、夏のローカル開催でリベンジを果たしたい。
 今になってようやく「ありふれた奇跡」の最終回を見た。いかにもドラマというような大きな盛り上がりは特になく、最後まで山田太一らしい脚本だと思った。岸部一徳風間杜夫は結局女装をやめられず、最終回でもおぞましい姿を披露していた。俺がいちばん好きなのは、加瀬亮風間杜夫のほのぼのとした親子間の会話のシーンである。ちなみに映画「ゴッドファーザー」でいちばん好きなシーンも、ヴィトとマイケルの親子間の会話の場面である。跡を継いだ息子のマイケルに対して、父のヴィトが「和解を持ちかけた奴が裏切り者だ」とか「かかってきた電話はすべてチェックしろ」などと庭でワインを飲みながらアドバイスをするのだが、そこに親子の絆が垣間見える。ちなみに、ヴィト役を演じたマーロン・ブランドは当時まだ40代後半のはずだが、物語の終盤の演技なんて、どう見ても70歳近い老人である。序盤から徐々に老けて弱っていく様子を演じる姿は見事としか言いようがなく、"20世紀最高の俳優"と呼ばれたマーロンの珠玉の演技と言える。
 事件から数日たつが、まだまだ草なぎ容疑者(なぎは弓へんにぜんら)の話題が沈静しない。草なぎ容疑者(なぎは弓へんにはだか)の人柄に鑑み、擁護する向きが大半を占めるように感じる。誰が事件を起こしたか、ではなく、事件そのものを論点とすべきだと思う。ちなみに、公園で警察に言い放った「裸になって何が悪い?」というひと言は、早くも今年の流行語大賞有力候補である。
 言葉の響きとして、鳥インフルエンザならまだ可愛げがあるが、豚インフルエンザと言った途端に絶対に感染したくなくなる。WHOが警戒を強めるのもそれが原因だろう。
 いつもダラダラ過ごしてしまうゴールデンウィークだが、今年は例年とは違う。予定がふたつ入っており楽しくなりそうな予感がとてもする。

 …いつもより彼女はまるでバタフライ。そんな大きな羽根広げて何処へ行くの? 何故? 花にそっとうまく舞い降りて、時間の経つことも忘れて