観覧車をよじ登る。アクロバットが得意なんだ

 タイトルの「観覧車をよじ登る。アクロバットが得意なんだ」とは連歌で言えば上の句にあたるもので、「もともと仕事はハッタリで、身体は丈夫なほうみたい」と下の句が続く。
 かつてないほどの慌しさは、自分がブロガーのはしくれであることも忘れてしまうほどである。ありふれた奇跡の最終回の日は飲み会で、ハードディスクレコーダに録画したきり、まだ見ていない。最終回が近づくにつれ、存在感を増すのが祖父役の井川比佐志。孫に命を救われた、と陣内孝則が訪れると表情も晴れやかで機嫌の良い好々爺なのだが、当の陣内孝則仲間由紀恵の話を持ち出した途端に鬼の形相に変化する。喜怒哀楽の激しさが人間臭くて良いし、年寄りとはそういうものである。風間杜夫の夫婦喧嘩の場面は、台詞をひとつひとつ見ると刺々しいのだが、不思議とほのぼのとしている。祖父役の井川比佐志に尻を触られたことが離婚の原因だとさらっと話していたが、冷静に考えると衝撃発言である。最も興奮したシーンは、加瀬亮仲間由紀恵がカフェにいるときに、女装した岸部一徳が来店してあわや鉢合せ、という場面だろうか。
 こう、せわしない日が続くようでは、最終回には到底辿り着けまい。
 …そういえば、正体不明のこの憂鬱は? そう言いながら今日も行こう