夜、夢に天使が降りてきて「あなたに足をあげるわ」と言った

tetsuo_hara2009-02-18

 タイトルの「夜、夢に天使が降りてきて『あなたに足をあげるわ』と言った」とは連歌で言えば上の句にあたるもので、「白い蛇はそんなものいらないよって言った。僕には目に見えない足が何百とついているんだから。天使は笑ってさよならと言った。白い蛇もさよならと言った」と下の句が続く。
 "鍛高譚ボンボン"(画像)というものを食した。その名のとおり、ウィスキーボンボンのしそ焼酎版である。ウィスキーボンボンと同じく、噛むと「シャリッ」という独特の感覚を味わえる。この「シャリッ」という感覚が奥歯でアルミホイルを噛むごとく異様と感じるのははじめのうちだけで、慣れるとどうにもやめられなくなる。ある意味、大学生と相撲取りとミュージシャンの必需品「大麻」によく似ている。
 少年メリケンサックを観てきた。ストーリーの転換期や伏線が釈然としない部分が何か所かあり、宮藤官九郎という人は脚本を書かせれば疑う余地なき天才だが、監督としては未だ成熟しきっていないのではないかと思った。それでもクドカン流のパンクスピリッツがいかんなく発揮されていて痛快だった。ASIAN KUNG-FU GENERATIONがモデルと思われるバンドが登場するのだが、劇中めちゃめちゃにされてしまう。きっとクドカンアジカンみたいなバンドは嫌いなのだろう。俺はアジカンの音楽は嫌いではないが、メガネをかけてプレイするのは何か違うと思う。レコード会社の社長役のユースケ・サンタマリアは「俺はこんな(少年メリケンサックのような)きったねーバンドが好きなんだよ」、「パンクとは"勢い"、"初期衝動"」、「深夜番組のエンディング曲に成り下がった今のパンクは本当のパンクじゃない」、「何で初ライヴを名古屋にしたかわかるか? 名古屋はな、日本のパンク発祥の地なんだよ。スタークラブ、原爆オナニーズ…。みんなここからスタートしたんだ」等、数々の名言を放つ。ユースケ・サンタマリアの台詞は、まさにクドカンが言いたいことそのままなのだと思う。アナーキーの仲野茂やスタークラブの日影晃、それに銀杏BOYZ峯田和伸遠藤ミチロウマルコム・マクラーレンぶりがハマっていたピエール瀧等、興味深い出演者が名を連ねるが、ヴォーカル役の田口トモロヲの怪演が最高だった。
 そろそろ人事異動を気にする時期である。転勤してもしなくてもどっちでもいいが、動くにしても残るにしても準備があるから早めに知りたい。あゝ、穢れなき僕の魂は何処へゆくのだろう。
 …君がもっとしたたかに振舞えば、この世は、交じり合った秘め事もまた夜のうたかた。なのに君の目に映る華やかなナイトアンドデイ