忙中閑あり

tetsuo_hara2008-12-24

 トヨタクラブワールドカップは、6大陸の大陸間王者が優勝を争う今の形式よりも、欧州王者と南米王者とのワンマッチで行なわれていた従前の形式のほうが格式が高かったように思う。原因の一つに数えられるのは、オセアニアのアマチュア王者にも参戦権が与えられてしまったことだ。この辺りはFIFAに是非改善してもらいたい。ところで、マンチェスターユナイテッドの扱いについて、日テレは大会が始まる前から"世界一のクラブチーム"という紹介をしていた。クラブワールドカップが世界一のクラブチームを決める大会なのであり、これに優勝して初めて"世界一のクラブチーム"の称号が与えられるはずなのに、大会前から"世界一の…"などと扱ってしまうことに矛盾を感じた。
 たいした用事ではなかったが、通称"八山田のディディエ・ドログバ"と連絡をとった。機種変したばかりのケータイのメーカー名を思い出すのに2分程度かかったり、"いただきストリート"というゲームのタイトルを思い出すまでに5分を要したりする部分は相変わらず彼らしかったが、全体として会話が流暢に成り立っており、リハビリがうまくいっている様子が伺えた。
 今年のM−1グランプリも例年と同じように、司会の今田耕司の一人勝ちという感想を抱いた。芸人のいじり方から審査員との絡みに至るまで、もはやMCとしては"孤高"というポジションに登りつめた感がある。そして今年のM−1をよりタイトなものに仕上げたのは、サブMCとしての上戸彩の抜擢にあった。台本を追いかけるだけの中山エミリでは堅調すぎるが、小池栄子は危なっかしくて見てられない。場の空気も読めて、進行をそつなくこなしつつアドリブも効かせられる上戸彩はサブMCとしてはこれまでの中で最も適任だ。出場したコンビの中では、個人的には笑い飯が良いと思った。
 仕事のほうは年末はそれほど忙しくしないつもりでいたが、考えが甘かった。とにかく電話の本数が多く、仕事の量も当然それに比例する。脂汗をかいて喉はカラカラになり、どうにか一日を終えられたと思って帰宅すると、安堵する間もなく年賀状作成などの激務が待っている。年賀状はアイディアがさっぱり出てこず、もう24日だというのに未だ暗礁に乗り上げている。アイディアは出ないが良い素材は徐々に集まっており、それらをどう料理して一つの皿に乗せるかが非常に悩ましい。
 そんなさなか、忙中閑ありというか現実逃避というか、思わずビーフシチューの店へ駆け込んだ。考えてみれば今日はクリスマスイヴ。満席で入店を拒まれたりするかと思ったが意外にも店内は閑散としていた。というより他の客は一切いない。ビーフシチューの感想については何度も述べているので割愛するが、サービスで出してくれたデザート(画像)がシャレオツ(オシャレの意)だった。二層に分かれたゼリーの、上部はメロンのグリーン、下部にはブラッドオレンジのレッドと見事なクリスマスカラーを表現しており、味わいも上品である。
 塾帰りの小学生、家族連れ、サラリーマン、女子高生、通いなれた通勤路もイヴとなるといつになく陽気なムードである。少し効き過ぎた暖房の中、真言宗の俺はゆっくり目を閉じるのだ。キャンドルはただ燃え続ける。聖なる夜は静かにふける。
 …敢えなく目が醒めて、流れ出す現実の方こそ虚しい嘘だと。はみ出すことなく続く始末。鏡の前に立つ。そんな遠くない未来