猫の撫で方

tetsuo_hara2008-11-19

 今日なんて日は支社長と昼食会だった。特に緊張することもなく、和気あいあいと時は流れる。ただし、弁当の梅干しだけは食わなかった。口から種を出すタイミングがわからないから、というのが理由である。
 この頃のケータイは、待受画面やメニューや電波強度や電池残量などの各種状態を示すアイコンを一つのテーマでまとめ、連動させることができる。いわゆる"きせかえツール"である。俺のケータイは世界のナベアツ(画像)に着せ替えており、普段はシブく決めているナベアツさんが"3"のつく時間になるとアホになってしまうんだ。電波強度のアイコンは、バリ3のときにアホのシルエットになり、電池残量のアイコンは電池マークの中に平仮名で「いち」、「に」、「さーん」といった具合に表示され、かなり楽しい。ナベアツさん、今日も"爆笑レッドカーペット"に出演していたが、3の倍数でアホになるというおなじみのアレ以外のネタも発想が斬新で、テレビで見る以上に懐が深く、天才だと思える。
 裏番組が弱いゆえ、時々「エンタの神様」を見てしまう。無駄に多いテロップと、編集で笑い声をかぶせてしまう下衆な過剰演出には嫌悪感を覚えるが、質の低い芸人を出演させる制作サイドのセンスにも嫌気がさす。フランケンに扮するコントとか、キックボクサーに扮して人のブログをただ紹介するだけの芸人とか、本当酷いな。
 大ボスがロイヤルミルクティーを美味そうに飲んでいるのを見た副ボスは、それを「美味いですか? デブの素は」と痛烈なひと言で攻撃した。その程度のことは全然気にしない大ボスだが、昨日の退勤の際の出来事には少々カチンと来たようだ。大ボスも副ボスも新幹線通勤だが、たまたま大ボスの後席に座った副ボスは「あ、白髪のおじさんの後ろだ!」と思わず口走った。それが癪にさわったようで、「見た目のことは言わないほうがいいだっぺ!」「俺もはげ頭の後ろだって今度言ってやるだっぺ!」などと、今日になってから数倍にして反撃していた。
 北海道の実家から帰ってきた大ボスは、新千歳空港に40分並んで花畑牧場の生キャラメルを買ってきてくれた。実は生キャラメルを食べるのは3度目だが、"噛まずに味わう"という食べ方の極意がようやくわかってきた。熟語3つで表現すると、"濃厚"、"芳醇"、"上品"と言ったところか。生キャラメルもいいが、べちゃべちゃと歯にくっつき、顔が歪むほど厄介なグリコのキャラメルもあれはあれで好きなのだ。
 仕事のほうは一千万円の契約をまとめようとしているところで、金額が金額なだけに相手も本気だからがっぷり四つに組んでいる状態である。ところが、それとは別件の相談、苦情、要望等の電話が山ほど寄せられて、メインの仕事もなかなか手につかない。俺は、抱いてやれる腕を二本しか持っていないのだ。
 シエンタ(愛称ムッソリーニ)の車検が済み、支払いを済ませたもんだから一挙に懐具合が淋しくなった。給料が上がるとか下がるとか毎年言われるが、給料は上がるがボーナスは下がるとか又はその逆だとかいろいろなパターンの話があり、結局わけがわからないうちに年収を減らされているような気がする。
 どこかの農家から大量に長ネギを貰い、俺の車庫のそばに置いてある。寒さにやられないように毛布がかけてあるのだが、その毛布の上でたまに猫が眠っている。優しく「ほーれほれほれー」などと言いながら近づくが、いつも逃げられてしまう。あの猫をひと撫ですることさえできれば、それだけで俺は幸せなのに。
 …わがままに創造して、わがままに崩壊していく。誰もが見守って、倒れる頃見放されたよ