べえべえしてきた

tetsuo_hara2008-09-17

 音楽を扱った映画では"スクール・オブ・ロック"が傑作だが、"デトロイト・メタル・シティ"もそれに匹敵するものがあった。デスノートのL役では主役の藤原竜也を喰っちまうほど存在感を示した松山ケンイチだったが、デトロイト・メタル・シティでも主人公の二面性を見事に演じきっており、根岸宗一(又はヨハネ・クラウザーII世)役は松山ケンイチ以外考えられないと思った。脇を固める役者もハマり役が多く、松雪泰子演じるインディーズレーベルの社長をはじめ、DMC信者のリーダー格に扮する大倉孝二などは見事な配役だった。ただ一点、ジーン・シモンズのキャスティングは残念な感じがした。ジーン・シモンズといえば言わずと知れたKISSのベーシスト兼ヴォーカリストで、ハードロックの世界では大御所中の大御所と言って良い。"デトロイト・メタル・シティ"というタイトルそのものもKISSの"デトロイト・ロック・シティ"という曲から来ていることは言わずもがなで、そのこともあって白羽の矢が立ったと思われるが、前述したとおり大御所中の大御所であるがゆえぞんざいな扱いはできず、遠慮しまくりのラストシーンとなってしまった。しかし、ジーン・シモンズのキャスティングによって映画の認知度が世界レベルに達しているということもあり、諸刃の剣と言って良い。まあ、それを差し引いても映画は最高だったわけだか。
 映画の中で主人公が「べえべえ」と言って牛を手なずけるシーンがあったので、翌日、一目散に牧場へ行き、牛に向かって「べえべえ、べえべえ」と牛に呼びかけてみた。すると、柵から遠く離れたところで夢中で草をむしゃむしゃやっていた牛がこちらを気にしはじめたので、さらに「べえべえ」と続けると俺のすぐそばへ歩み寄ってきた。べえべえすると本当に牛を手なずけられるんだなあとびっくりした。ついでに子牛に授乳(画像)しておいた。
 …ここが実体の無い世界なら、街は立体になって、空に届けば、弓の月は弧を描いて、散ったんだ。そう照らして、いつも照らしてるだけの光になってさ