戦士と屍のマーチ

tetsuo_hara2008-06-30

 ザ・マジックアワーを見た。途中まではまるでアンジャッシュのコントを見ている気分だったが、徐々にシリアスな要素も加わっていき、終わってみればよくできた話と思えた。佐藤浩市の怪演技と西田敏行の名演技が際立っていた。
 宝塚記念も終わり、これから本格的に夏競馬のシーズンを迎える。春競馬はかつてないほど成績が良かった。馬券的には10万馬券を当てたプリンシパルステークスが最高だったが、ダービーを的中させたというのも嬉しかった。俺は古馬のレースよりも2歳戦や3歳戦のほうが得意と言える。宝塚記念は一応当たったが収支はマイナスであった。エイシンデピュティ宝塚記念をまんまと逃げ切ったが、同レースを逃げて勝った馬は俺の大好きなサイレンススズカ以来だという。"逃げ"という脚質には「突き放す逃げ」と「ひきつける逃げ」の2種類があって、サイレンススズカの場合は爆発的なスピードを生かしてゲートが開いた瞬間から後続馬をどんどん突き放していくタイプであるのに対し、エイシンデピュティは折り合いをつけながら後続馬とそれほど距離を置かずに自分のペースに他馬を巻き込むような逃げ方である。そういう意味では、今年のエイシンデピュティを見てメジロパーマーが優勝した92年の宝塚記念を思い出した。
 ダービーオーナーズクラブではなかなか勝ちきれなかった俺の馬だったが、先日ついに初勝利を手にした。ちなみに馬名はラクダコオロギ(画像)。ニンジンにむしゃぶりつく姿が可愛くて仕方がない。
 会社の副ボス(熊のような大男)が「近頃はゴルフをする余裕もなく、余暇と言えば小さい銀の玉をはじく程度ですが…」などと話していたが、俺も昨日はパチンコなんてやってしまった。ハンドルを握るだけの作業はほとほと退屈だったので、暇つぶしのネタが何かないかと周りを見渡すと、3台隣りに座っていた爺さまの口もとで目が止まった。下あごには入れ歯が入っているようだが、どう見ても上あごには入れ歯が入っていないのだ。それからの俺は爺さまの口もとに釘付けである。タバコを吸おうとするのだが、上下のあごがマッチングしないから上唇と下唇の間に大きな隙間ができ、どうしても主流煙が隙間から漏れてしまう。ある意味健康的な喫煙法と言える。
 野球界で"史上最強の助っ人"と呼ばれたランディ・バース、ゴルフ界の天才・青木功、昭和最後の大横綱千代の富士プロスポーツ界を代表する3人が、プロとアマチュアの違いについて問われたときに「プロはどんなときも言い訳をしない」と共通の回答をしている。しかし俺の仕事は言い訳をすることである。徹底して言葉を選び、選んだ言葉を理路整然とした「言い訳」に並べ替え、それを巧みに文字に起こして「書類」というひとつの作品に仕上げる。今日は作品の報酬としてボーナスを支給されたが、金の使い道がない俺がボーナスを貰ったところで喜ぶのは、預金額がふくらむ銀行屋だけである。
 …二人ぼっちに慣れようか、朝昼夜その先でもいいから。二人言でしゃべろうか、振り返る訳を触れずにはいられない