コラー犬

tetsuo_hara2008-05-02

 昭和を懐かしむ的なイベントに行ったら、なぜか端の方で粉末状のコラーゲンが売られていた。売り子のおばさんが言うには、若返り効果が抜群で発毛作用もあり、禿げにも有効らしい。そのおばさんが飼っている老犬にコラーゲンと菊芋を摂らせたところ、みるみる効果が現れ、しょぼしょぼとした目は凛と輝き、体毛もわさわさと生えてきたとのこと。さらに野心まで芽生えたようで、脱走を図ったかと思ったらしばらくして真っ黒に汚れて帰ってきて「あらあら」とおばさんも困惑したようだ。若返るのは結構だが、方向性が間違っており危険な食品だなあと思った。
 顔の面積の半分はあろうかといういかついサングラス(画像)をかけて会社へ向かい、「この場合どうするんですか」の教えを乞う電話は右から左へスルーして定時で退勤し、またいかついサングラスをかけて家路へ急ぐ。ゆるゆる緩めて労働。スタートラインがまだ向こう。はるかかなたにあのVロード。雇用の機会は均等。仕事選びは慎重。辛抱、便乗、進歩。「楽して儲けるスタイル」が理想。上との差は開くばかり。小細工無しだし手は抜かない。仕事があるだけありがてぇって、世知辛いこのご時世にもフィットさせてく、擦り合わせる。較べる、並べる、自惚れる。
 …胸が騒がしい。でも懐かしい。こんな想いをなんと呼ぶのかい。「そう言えば最後にもう一つだけ。『涙』もオプションでつけようか? なくても全然支障はないけど。面倒だからってつけない人もいるよ。どうする?」。そして僕はお願いしたんだよ。強い人より優しい人になれるように、なれますようにと。『大切』ってなんだかわかるように