性欲の秋

tetsuo_hara2007-09-11

 大ボスは、手が開くと俺のそばへ大事な話をしにくる癖がある。大事な話とは、行きつけの床屋の体格の良い姉ちゃんは肩を揉むのが抜群にうまい、とかそんな話である。
 秋はオシャレが出来る季節だから好きだ、と言ったのは吉井和哉だったが、まさにその通りである。夏のうちにネクタイを数本そろえたが、締める機会はほとんどなかった。つい先日はタイピン(画像)も買った。タイピン=オッサンという構図が成り立ちようもない格好良さ。クールビズも9月いっぱいで終了し、来月からはネクタイ着用となる。早く来月にならないかなあ。
 田舎道、車を走らせていたら歩道で交尾をしている犬がいた。秋はオシャレの季節かと思った矢先、結局は性欲の秋なのか。
 欧州遠征中のサッカー日本代表の中でもっともメディアの注目を集めているのは、スコットランドリーグMVPの中村俊輔でもなければル・マン松井大輔でもなく、イビチャ・オシム66歳その人だ。サッカーを良く知る人ほどオシムへのリスペクトの念が大きいという傾向にあるが、欧州ではそれがさらに顕著である。オーストリアの現地記者にとってはオシムのひと言ひと言がたまらなく楽しいらしい。
 やはり性欲の秋なのだろうか、通称"二本松のズラタン・イブラヒモビッチ"は完全にショップのスタッフに恋をしてしまった。夜な夜な俺に電話してきては、彼女に対する熱い思いだとか、これから先の大作戦などをこと細かに打ち明けるのだった。今の段階では、5足で千円の靴下みたいな恋と言わざるを得ないが、彼にとってはそれが心底欲しく仕方がない。押してから一度引いてみる、みたいに駆け引きとかも考えているようだが「やめたまえ、"駆け引き"というのは男前がするから効果があるのだ」と忠告しておいた。それにしても"押してから一度引く"という手法は20年前に使い古されたのかと思っていたよ。余談だが、高校の時、登校したら俺の机に鉛筆で「鬼」とドでかい字で落書きされていたことがあった。無論、通称"二本松のズラタン・イブラヒモビッチ"の仕業である。翌日は「仮面を捨てろ」とやはりドでかく書かれていた。いわずもがなこれも通称"二本松のズラタン・イブラヒモビッチ"の仕業だ。消しゴムで消すのにどれだけ労力を要したことか。
 G1へ向けてのトライアルレースもぼちぼちはじまり、秋競馬もずいぶん盛り上がってきた。サンデーサイレンス産駒ではディープインパクトを最高傑作とする人が多いが、無敗で皐月賞をとったものの脚部不安でそのまま引退し、"幻の三冠馬"といわれたたアグネスタキオン(長浜調教師はディープよりタキオンのほうが強いと言っていた)のことも忘れてはならない。俺としてはサンデーの仔ではサイレンススズカがいちばん強いと思う。逃げ馬特有の悲壮感など微塵もなく、走るのが楽しくて楽しくて仕方ないという感じである。もっとも強い勝ち方をしたレースは金鯱賞(動画)で、とにかく最初から最後までぶっちぎり。まさに走る喜びを爆発させているようだった。天皇賞(秋)の途中に故障して薬殺されてしまったが、今頃天国で何を思っているのだろう。俺は生まれ変わったら、おしりかじり虫にでもなりたいよ。

 …馬鹿につける薬ください。これだけが手に入らないんだ。108つの欲望をつぶしてきたけどまだまだ消えない