腸(はらわた)の居眠り

 軽く考えていた腹痛と下痢は案外深刻で、月曜日などは痛みに耐えかねて救急外来を受診したほどだった。胃腸炎と診断され、腹痛の直接の原因はガスとのこと。胃腸の働きが極端に鈍り、放出できなくなったガスがたまりにたまってお腹がパンパンだったのだ。その筋の人から"鉄男の放屁は日本で五指に入る"とまで評されたこの俺が放屁できないのだから致命的だ。仕事も休みがちになり、いよいよヤバいと思って3時間半コースの点滴をキメてきた。点滴キメたら驚くほど復調し、居眠りしていた腸もようやく目を覚ました様子である。点滴の効果って物凄い。あれだけ苦しんだのに一撃でここまで良くなるとは。明日も点滴キメて全快を目論む。
 胃腸炎の原因を自分なりに分析してみたが、暑くなってきたのを良いことに毎日毎日コーラのミニ缶を飲んでいたから腸がやる気をなくしたんだと思う。冷たくて甘いものって相当ヤバいらしいから。事実、会社のスチール缶のゴミ箱は俺が飲んだコーラの空き缶で溢れそうになっている。"冷たい飲み物のはご法度"という項目が、腹鉄男の取扱説明書に書き加えられた。
 東京電力東北電力のラジオCMを聴いていたら「原発はCO2を排出しないので、地球温暖化に役立っている」みたいなことを言っていたが、ちょっと待てよと思った。それは「地球温暖化を促していない」だけであって「地球温暖化に役立っている」とは言えないんじゃないだろうか。憤りを覚え、何かの機会に抗議しようと思った。
 ドクターフィッシュを初体験した通称"二本松のズラタン・イブラヒモビッチ"は、あまたのドクターフィッシュの中で最もドジョウに似た個体を探し出し、それを通称"八山田のディディエ・ドログバ"に見立てて愛でていた。全裸にゆかたというスタイルがどうにも落ち着かないらしく、動くたびに「お宝がぁ、お宝がぁ」とそわそわしていた。よっぽどたいそうなものをぶら下げているのか、はたまた皮でもかむっているのか。そのへんは知る由もないが、30過ぎの成人男性がモジモジして滑稽だった。
 先日行なわれた光母子殺害事件の差し戻し控訴審が大きな関心を集めているが、裁判といえばやっぱりライブドア裁判である。ホリエモンと対決するのは、体型が瓜二つの検察官、通称"フジエモン"。早口でしゃべるフジエモンに対して「もうちょっと、ゆっくりしゃべってもらえますぅ?」とホリエモン。「どうしてCEOになったんですか?」と質問するフジエモンに対して「流行ってたから。かっこいいから。盛り上がるから」と小学生ばりの答弁を展開するホリエモン。銀行買収の計画があったにも関わらず記録が残っていないことを追求されたホリエモンは、神聖な法廷で「放置プレイですよ!」とお下品発言。さらにタートルネックの雑誌広告でおなじみの上野クリニック買収計画の件を持ち出すにあたり、フジエモンはあえてそれを「包茎の病院」と表現。もうなんでもいいから二人とも牢屋に放り込んじまえ!

 …僕がいなくても地球は回るのに、地球がいないと僕は生きれない