ごちそうサラダ(加筆修正済み)

 Mr.Childrenの興奮冷めやらぬ翌日の日曜、GRAPEVINEのライヴを観た。田中と西川とサポートベーシストの3人がステージに登場した瞬間からいきなり格好良い。ストリングスが3人でステージに立つと画になるなあと思った。ヴォーカル&ギターの田中和将は細身に長身でやや猫背気味に低くギターを構える。長身で痩せこけている時点で既にロックなんだけれど、立ち居振る舞いの一つ一つに至るまで全てがロックだった。特に、シャウトした後の痙攣が格好良いと思った。まるでエレキギターに流れた電流が、勢いでそのまま体まで流れ込んじまったみたいだ。
 かつてセカンドアルバムがオリコン3位まで登りつめたGRAPEVINEだが、CDのセールスのほうはだいぶ落ち着いて(落ち込んで)しまった。が、それに反比例して音楽の完成度は上がるばかりで、噛めば噛むほど味が増す楽曲は「スルメのようだ」と形容され、"ポスト・ミスチル"と言われた時期もあった。俺の知り得る限り、"ポスト・ミスチル"などと言われたバンドは後にも先にもGRAPEVINEぐらいじゃないかと思う。
 田中和将のヴォーカルは(良い意味で)かなり癖が強く、発音が不明瞭である。なので、俺が解釈した詞と実際の歌詞とではズレがあることも多々ある。例えば「I must be high」という曲では、"ブサイクと童貞ばっか踊る夏の日には"と歌っていると思い込んでいたら実際は全然違っていて、"リサイクルと憧憬ばっか踊る夏の日の輪"と言う歌詞が正解だった。俺のイメージだとブサイクと童貞はとにかく踊るので、俺の解釈もあながち不正解とは言えないと思うんです。
 競馬で連敗ロードをひた走っていた中ボスだったが、先日のオークスでとうとう3連単を的中させた。おかげで今週は上機嫌である。室温計の近くに居るときに、外様ボスに「暑いんだけど、何度あるの?」と聞かれ、「45度。ひゃひゃひゃひゃひゃ」とおどけて見せたり、売店から飴を4〜5袋買ってきて「雨が降ってるから飴を食うべ」などとベタなダジャレを発射しつつ皆に振舞ったりしていた。当然ダービーもやる気満々で、経費削減もヘッタクレもなくスポーツ紙の競馬欄をコピーして皆に配っていた。
 「マリンに恋して」を買ったショップで、今度は「ごちそうサラダ」という固形石鹸を買った。「ごちそうサラダ」という名前がついているぐらいだから原料にアボカド等が使われており、とても良い匂いがする。サラダの爽やかさと石鹸特有の清潔さと、そして男の色気。この石鹸を使うようになってから、俺の匂いがキムタクみたいな匂いになった。キムタクの体の匂いを嗅いだことはないが、たぶんこんな感じだと思う。食欲をそそるサラダの匂いのおかげで、牧場とかに行こうものならヤギとか羊に「ガブッ」とやられるんじゃないか心配だ。
 …Monday泣いて、Tuesday吐いて、Wednesdayやってらんねぇってなっても、Saturday、Sunday笑っていいんです