ストレッチを怠ると、心がうまく開けないんだってさ

 午前中はマーケットリサーチで街をぐるぐる回って仕事にならず、午後は落ち着いて書類をチェックしようと思ったらあまりにもめちゃくちゃな書類だったため赤チェックを入れる気にもならない。もっと落ち着いて書類を作ってくれよと言いたかった。とは言っても明日からしっかり5連休。下を見たらキリがないが、黄金週間に休みがない人のことを考えれば自分はまだマシなほうである。働けど働けど俺の給料は、真鍮製の『釘』や鉄板製の小さい『風車』を数個打ち付けた板を概ね垂直に近い状態で設置し、釘の頭からわずかな間隙をのこして板ガラスで覆った遊技機が並ぶ店を経営する朝鮮人のふところに吸い込まれる。
 数日前に足湯へ行ったら久々に"足湯の主"がいて、利用時間が「日没まで」とされているにも関わらず日没前に湯の供給を止められてしまうから管理事務所に文句を言ったら「じゃああなた、私の残業代を払ってくれるんですか!!」と逆ギレされたと不満を述べていた。どっちの言い分も、もっともである。
 ミスチルの新譜にはピンと来ないと思ったが、聞き込むうちにじわじわとキた。2曲目の「Wake me up!」は、"チン、チン、チン"とハイハットの慎重なリズミングから入って、次第に"ドゴッ、ダダダダダッ"と疾走するスネアに移行する。俺、ミスチルのドラムの人が大好きだが、ステージで見るのが今から楽しみな曲である。4曲目の「箒星」はミスチル節が大炸裂したヒット性要素満載の曲だが、狙いすぎていて少しズルいと思った。さらに「箒星」という漢字が読めず、最近まで「ひとつ星」だと思っていたのもいまいち好きになれない原因である。俺がいまのところいちばん気に入っているのは7曲目の「もっと」である。序盤に出てくる"それはほら吹きに毛の生えた、にわか詩人の蒼い願い"というフレーズが最高に気に入ってしまった。だって、ほら吹きに毛が生えてるんですよ!! かと思えば二番の歌詞では"やわな手足をもぎとられた、バッタみたいにもがく思い"と歌っており、おいおいそりゃあんまりだろう、と思った。
 通称"八山田のディディエ・ドログバ"の職場のあたりで食事をしていたら、「つるさんは、まるまるむし」の絵描き歌みたいな顔をしたドログバがまんまと姿を現した。言いたいことはいろいろあったが、仕事中だったので自粛した。
 …僕たちで誓う、この距離が開いたって消えぬこの意志は、いつも、今日も、明日も、明後日も。さしあたって僕はあの彦星、言うなれば君は織姫星。ジャンでケンでポンで勝ったほうが川を渡って会いにいくことにしよう