たぬき・むじな事件

 汚いところに住むと運はやって来なくて、しっかりお掃除をしたほうが幸福は訪れる、と松居一代が言っていた。下駄箱の整理は、黒っぽい靴は下のほうに、白っぽい靴は上のほうに配置すると良いらしく、履かない靴は捨てたほうが風水上は良いそうだ。俺の部屋、カーペットをめくると秘密の穴があいていて、そこから物が湧いてくるんだ。油断すると部屋が物でいっぱいになっちゃうからもう少し整理整頓をしっかりやろうと思った。
 先日、おしゃれイズムに熊川哲也が出演していて腕時計のコレクションを披露していた。身に着けていたジラール・ペルゴからはじまり、こだわりのフランク・ミューラーを熱く語っていた。男が腕時計を語るさまは格好良い。ここからは半分俺の持論だが、男の価値なんて顔が2%で性格が1%。そして残りの97%は腕時計で決まるのだ。
 先日は"もっこりホルモン焼肉祭"と題して遅めの新年会を行なった。「オイッス!!」「オイッス!!」とか言って集合。まるで土曜8時の生放送。高度成長並みの高揚感を漂わせ煽る若人。意味不明、出所不詳、こぼれる微笑、妙なテンション。盛り上がりどころはおじゃまんが山田くんの話題。マッサージチェア付きのカラオケはアニソン、スロソンなんでもあり。ボウリングを"部活"と称して、変幻自在の球筋で両隣のレーンまで制圧。翌朝、通称"八山田のディディエ・ドログバ"は「ヒゲを剃っていない」と言っていたが、それほど黒くなっていなくて意外だった。通称"二本松のズラタン・イブラヒモビッチ"の場合は一日剃らないと口の周りがあからさまに青黒くなる。大正13年に「たぬき・むじな事件」という事件が栃木県でおこった。これは、ムジナを狩った男が、タヌキを捕獲することを禁じた狩猟法に違反するとして逮捕されたが、後日「タヌキとムジナは別種の生物である」として男は無罪となった事件である。タヌキとムジナが似て非なるものであるように、ヒゲはヒゲでもいろいろなタイプがあるんだなと思った。「ケツに爆弾を抱えているから」とマッサージチェアを自粛した"二本松のズラタン・イブラヒモビッチ"だったが、その割りにやたらと夜中にラーメンを喰いたがって、どんな臓器の構造してるのか疑問に思った。妙に妙に妙に妙にハイになってんの勘違い!? 微妙微妙微妙微妙微妙に速く脈打つの感じない!? 異常異常異常異常異常に舞い上がってんだ今日。
 …君と書いて「恋」と読んで、僕と書いて「愛」と読もう。そうすりゃ離れそうもないでしょう? いつかそんな歌つくるよ