ひよこクラブ

 職場で談笑していると、通称"福島のマハダビキア"がものすごい剣幕でやってきた。「な、何か?」と恐る恐る聞くと「腹くん、あのさ、サカつくなんだけどさ、右サイドは誰を獲ったらいいと思う?」と神妙な面持ちで質問される…。というのが俺の初夢で、吉とも凶とも取りがたい内容だった。今日は初夢の仰せの通りに"福島のマハダビキア"をお茶に誘い、会社の裏事情やこの国の行く末について会談を交わしてきた。御屠蘇気分にどっぷり浸り、俺の頭の中身なんて脳液の変わりに甘酒が、脳みその変わりに鏡餅が入っているようなものだったが、どうにか「正月休みも終わりだよ」という現実に引き戻してもらえた。
 紅白歌合戦におけるDJ OZMAのヌード問題は、ジャネット・ジャクソンのポロリ騒動よろしく世界レベルで報道されたという。杓子定規な屁番組の在り方に一石を投じたDJ OZMAは、ある意味えらいと思った。ミュージシャンはアーティストなんだから表現方法を悪戯に規制してしまうのもおかしい。騒げば騒ぐほどDJ OZMAの思う壺だし、DJ OZMAにとってプラス要素にしかならないと思った。三流放送作家の台本どおりに番組を進めるやり方からはそろそろ脱却したらどうかねえ。たびたび審査員席からリポートしてた女性(キャスター?)は何者だろう。酷く緊張して見ていられなかった。次の紅白歌合戦は審査員に弦哲也吉幾三とBMGビクターの販促担当のおっさんを登用して、勝ち抜き方式にしてほしいね。番組名も「弦哲也のカラオケグランプリ」に変更してさ。
 頂いた年賀状はどれも趣が深いが、いとこから届いたものに感心した。娘の写真を使っているのは珍しいことではないが、その娘というのが育児雑誌「ひよこクラブ」などでモデル活動を行なっている女の子なのだ。ルックスが良いのはもちろんのこと、カメラを前にしたときの首を傾げる角度などに他の子との格の違いを見た。モデルならではの"笑いすぎない笑顔"というものを若くして既に確立しており、口角の上がり方にも蛯原友里を彷彿とさせるものがある。ははーっ、と感心しつつ俺が抱いた興味は「ひよこクラブのギャラはいくらか」という部分である。
 …紛らすことを信じて夜更けに報いは見ない。明日の朝は来ない。あの娘がほほえむから