謹んで初春のお喜びを申し上げます

 遅ればせながらあけましておめでとうございます。今年も「生」に対して肯定的に、また「永遠に生きること」に対しては否定的なスタンスを貫きつつ、細く長くブログりたいと思いますので変わらぬご愛顧のほど。
 昨年末に芸人の忘年会の番組があって、バナナマンの日村がサプライズゲストの貴乃花本人を目の前に、幼少時代の花田光司のモノマネを披露していた。貴乃花親方のリアクションが注目されたが、意外と紳士的かつ友好的だった。髪型や喋り方などもワイドショーをにぎわせていたあの頃とはうって変わって非常に落ち着いた感じだった。この"フツー"への豹変ぶりを良しとするか悪しとするか。ワイドショーのネタがひとつ減って、東海林のり子さんごめんなさいと言ったところである。
 高校サッカーで、福島県の代表校は2回戦で敗退してしまったが、わりと個性的な選手が揃っていてなかなか面白かった。絵に描いたようなカウンターサッカーだが、あのチェルシーでさえも強豪相手のときはカウンターサッカーである。攻撃に転じたときにもっと人数をかけられば、さらに上にいけたんじゃないかと思うが、それが難しいんでしょうな。GKのファインセーブが光ったが、GKの選手のお父さんに「あの集中力はどこからきているんですか?」とインタビューしたところ「んー、何だっぺな」と答えたとのリポートがあり、思わず笑ってしまった。そんなの父親に聞いてもわかるもんじゃないだろうに。
 年末年始になると、人はなぜ歌を聞きたくなるのか。学生時代、終業式等の節目節目で必ず校歌を歌わされるから、その体験がインプリンティング(刷り込み)されているんじゃないかと思う。大晦日は多くの時間を格闘技観戦(ほとんどの対戦カードが下馬評どおりだったが、須藤元気の引退には驚いた)に費やしたが、紅白歌合戦出場者のうち、真の歌心を持ってるのは和田アキ子ぐらいだと思った。一昨年はm-floと共演し、ポリバレントな才能を見せつけていた。和田アキ子の歌唱力は、ジャズから歌謡曲まで自分色に歌いこなす美空ひばりさんにも匹敵する。ひばりさんのように神格化されないのは、素行が悪いせいだろう。
 今年の正月は雪がないから風情に欠ける。とは言っても雪が降れば出不精になるから雪はないほうがよい。正月休みも残すところ明日一日だけで、あさってになればまたいつもの日常がはじまる。このぬるま湯生活から抜け出さなきゃいけないと思いつつ、俺は抜け出そうとはしない。もしかしたらこのぬるま湯生活は、どんな金持ちや権力者も作りえない最高のものとわかってしまったから。(「わにとかげぎす」より)
 おみくじをひいたら見事に「大吉」を引き当てた。失せ物は、低いところから出てくるらしい。歳も歳だし、今年は日本酒とギターでも覚えるとしよう。今年もどうぞご贔屓に。
 …この街の夜は長い。夜更けに人々は委ぬ。戯る二人のための寝床を探してるから