再考「oasis」

 中ボスは、出張先で立ち寄ったラーメン屋がたいそう気に入ったようで、昨日も今日も「やっぱりあそこで正解だったわ」とにこやかに話している。仕事上のことにはほとんど口は出さない中ボスだが、食べることと飲むことと巨人戦と競馬に関しては一家言持っている。飲み会のときなどは我先にイニシアティヴを取るのが中ボスだ。ノエル・ギャラがーがオアシスに加入する際「俺の曲を演じてビッグになるか、それともこのままマンチェスターのクズバンドで終わるかどっちだ?」と言って、全権を自分に委ねることを条件にバンドに加入したと言われているが、飲食に関わったときの中ボスの勢いはそのぐらい凄味がある。
 ビッグマウスで知られるノエル・ギャラガーは、「オアシスを、ビートルズよりもレコードを売るバンドにすること」と、とんでもない目標を掲げ、セカンドアルバム"Morning Glory"で、実際にその目標を達成してしまうのだった。そのときのノエル、普段は強気なくせにビートルズにだけはただならぬリスペクトを抱いており「単に数字が上回っただけで、内容は足元にも及ばない」と意外にも謙遜している。俺は"21世紀のAll You Need Is Love"とまで言われた「Whatever」もポップで良いと思うが、「Wonderwall」がとにかく名曲だと思う。
 NHK紅白歌合戦の出場者が発表になったが、ここ数年では"年末"といえば紅白か格闘技かの2択である。元気が出るテレビの頃までのテリー伊藤は、人を殺してでも笑いをとってやろうという気迫があったが、やたらと亀田興毅を擁護したりして、今ではおかしなおじさんに成り下がってしまったものだ。
 この2、3日の間に俺が学んだのは、人間なんてラーメン一杯でも幸せになれる単純な動物であると言うことと、水分を多めに摂取すればピンクの小粒に頼らなくて済むということである。
 …渡り鳥でさえも、帰る空がわかる。涙が出そうなほど、深い空。頭を裂いて、一切カラにして、あーつまらない、自分を見たいだけ