あの韓国でさえ自国開催じゃベスト4だ

 W杯の8強が出揃ったところで優勝チームを予想し、的中すれば食事をご馳走してもらえるというゲームを行っている。リケルメのゲームメイクやテクニックにうっとりし、アルゼンチンに心を奪われながらも鬼になった俺が予想したチームはドイツだった。ちなみに通称"二本松のズラタン・イブラヒモビッチ"がアルゼンチンを予想。通称"みずきが丘加藤鷹"がブラジルと予想。通称"八山田のディディエ・ドログバ"はイングランドを予想した。準決勝・決勝を待たずして、俺以外の3人は脱落した。
 アルゼンチンは強いし良いチームだが、試合を重ねるにつれ中心選手のリケルメ疲労が濃くなるのが見えた。つま先まで神経の行き届いたかのようないつものボールタッチは影を潜め、らしくないパスミスも散見された。ブラジルは、ロナウジーニョファンタジスタぶりがとにかく取沙汰されたが、バルセロナで見せる魔法のようなプレイは、代表ではほとんど見ることはなかった。フランスに敗れた試合は、アドリアーノを下げてロナウジーニョをFWに使うという奇策が仇となったようにも思う。イングランドの選手は体が重そうで、とにかくコンディションに難がある。FW陣に怪我が重なるという不運もあった。
 自国開催のドイツはとにかくコンディションが良い。イタリアも尻上がりに調子を上げている。名GKを次々と輩出するイタリアだが、中でもブッフォンは歴代ナンバー1じゃないかと思う。川口が時折見せるスーパーセーブも、ブッフォンなら普通に繰り出してしまう。準決勝は死闘になるだろう。
 中田英寿が現役引退を表明した。代表監督就任という俺の予想は飛躍しすぎだったが、それに近いカタチになってしまった。中田のキャリアの中では、毎試合出場していたペルージャ時代よりも、少ない出場機会で素晴らしい仕事をしたローマ時代のほうが好きだ。
 さて、ドイツが優勝したら何をご馳走してもらおうか。選択肢に困るところではあるが「俺は何でも良いんだ、おまいらと楽しく食事さえできれば」と言ってやりたい。そう言いつつも、したり顔で「米沢牛」とか言ってやりたい。
 …夜露に身を濡らして、朝日に胸焦がして。あてのない風の日も、二人の旅路は続くよ