股間がむくむく、てーへんだ

 N●Kに受信料を支払うぐらいなら、フジテレビに受信料を支払ったほうがまだマシだ。N●Kを全く見ないわけではないが、受信料に見合うほどの番組内容ではない。日テレは過大演出がうるさすぎて疲れるし、TBSからはどことなく(あえて言えば素人の扱い方などに)うさん臭さを感じる。テレ朝は論点がズレてるしマニアックで気持ち悪い。消去法で行くと、残るのはフジテレビである。
 物事を、勝手気ままに決め付けてしまう悪癖がある。初対面でも「この人、勉強ばっかりしてきたんだろうな」と決め付けてみたり、ファミレスで隣のテーブルの人の容姿を見ただけで「あ、間違いなくデザートも食べるわ。しかもとびきり甘いのを」と決め付けてみたり、買い物するおじさんを見つけて「しわくちゃの千円で買うわ」と決め付けたりとか。ところがそれは、あながち間違いではない。70%近い正答率を誇っている。
 spa王のCMの山田優の顔はひどい。アネッサの蛯原友里はあまりにも美しい。あまりの美しさに、卑しい考えなどは起こす暇もなく、ただもう芸術品に対するときのような敬虔なキモチで賛美してしまいたくなる。股間がむくむく、てーへんだ。
 我々の業界には、「バイブル(聖書)」と呼ばれる黒い本がある。通称"福島のマハダビキア"は、入浴のとき以外は肌身離さずその本を持ち「シュワキマセリ、シュワキマセリ」と言いながら日ごろから読んでいる。俺は、朝自習の如く勤務時間前の数分間にそれに目を通すだけ。知恵をつけようとして己れを鍛えると破滅するタイプだから。楳図かずお先生の昔の作品に『歯』というものがある。これは、安アパートに住む青年がある朝ふと目が覚めると、自分の歯が全部鋭いキバになっているという話。青年はそれで骨がかじりたくなり、最初は魚の骨をかじっていたが、だんだん魚の骨では満足できなくなって次第に人間の骨を…というホラー。俺は、黒い本を読んで知識を得たら屁理屈ばかりこいてロクなことを言わなくなるタイプ。一生乳歯でいたほうがいいんだ。結局本が頭に入らない男の言い訳なのだが。
 …あたしの「今」は、すでに記憶された貴方の脳裏に。貴方の心に。貴方がもしもそこで生きることをやめても