なまけものの人生

 予定されていた飲み会はすべて終わり、本格的に仕事の残務整理に追われる身となった。飲み会ではついついテンションを間違えてしまい、恥ずかしい瞬間を黒の油性マジックで塗りつぶしたくなる。実際は塗りつぶせないけどまあいいや、どうせもうさようならだもの。
 おとといは6のつく日だったからはりきって北斗の拳を打ってきた。レギュラーボーナスしか当たらず、身ぐるみ剥がされる寸前まで追い込まれた。最後の望みをかけて座った北斗の拳でレインボーオーラのBAR揃い。3times-championになれるかと思いきや12連止まりだったが、すぐに引き戻してまた12連。口から心臓が飛び出るぐらい興奮したわ。
 異動先の職場へ仕事の引継ぎを兼ねて挨拶に伺った。建物に入るなり「"イタズラ・オテンバ大好き腹鉄男"とは私のことですが何か?」と言ったら室長室へ通された。室長に「わかんない書類はとりあえずはんこ押せばいいから。それがすべてだから」と繰り返し繰り返し言われた。それでだいぶ気が楽になった。何でもいいからとりあえずはんこを押す。回転寿司とかでよくあるじゃん、延々とシャリを握るロボット。俺、4月からあんな感じだから。
 "無頼"と書いた布団で見るのは、いつかはばたく夢。眼鏡の室長におならで挨拶、「あいすみません」。朝には歌、夜には恋、なまけ者の人生ドンマイ。空には虹、俺には夢、なまけ者の人生バンザイ。
 …例えば全ての神経を操るやわらかな、その器具をはずしてもまだあたしを求めるのかな