穴の中へ、穴の中へ、行ってみたいと思いませんか

 王ジャパンの準決勝と決勝は、2次リーグでの鬱憤を晴らすかのような胸のすく内容だった。日本があれほど打てたのは意外だったが、キューバはいくらなんでもピッチャーを替えすぎだと思った。野球の場合、サッカーに比べると監督の責任が軽い。サッカーは少しでもお粗末な試合をするとすぐに更迭論が浮上し、代表チームはまるで監督の所有物のような扱いを受ける。ハンス・オフトという外国人監督がいきなり日本代表を強くした経緯があるから、「代表チームは監督次第」みたいな風潮が生まれてしまったのかもしれない。野球のWBCでは、米国に逆転負けしても2度韓国に敗戦を喫しても、王采配が叩かれることはなかった。
 春場所前に、NHKのスポーツニュースの1コーナーでデーモン小暮が綱取りのかかる栃東にインタビューしていた。柔軟な体に改造するため、ウェイトトレーニングをやめたそうだ。デーモン小暮閣下のインタビューは素晴らしかった。閣下は早稲田卒でとても頭のキレる人(自称・悪魔)だが、それに加えて大の相撲ファンでもある。NHKにしてはなかなか良いインタビュアーをあてがったものだ、と感心した。
 カーリング女子の日本代表チームを「カーリング娘」とはじめに呼んだ奴は誰だ? たしかに音は「モーニング娘。」とそっくりだが、うまいこと言うじゃないか。大半の日本人は、カーリングのルールなんて知らずにただただ小野寺歩に萌えていたんだろう。
 銀歯が欠けて、左下の奥歯に穴が開いてしまった。その穴は、深く深い地底とつながっていて、そこでは恐ろしい地底人が地球人支配の計画を立ているんだ。舌で奥歯に開いた穴をさわっていると、そんな錯覚に陥る。行ってみたいと思いませんよ。
 …あたしの体はいとも簡単に、目に映らない物さえ頼ってしまう