浪速乃闘拳

 我が家には、朝日新聞讀賣新聞福島民報新聞とスポニチの計4紙が毎朝配達になる。スポニチの今日の一面は、プロボクサーの亀田興毅だった。ペンのためし書きだと思うが、亀田興毅の頭に毛らしきものが落書きされていた。さすが光子さん(祖母)だと思った。
 ボスが赴任してきてから2年が経とうとしている。今のボスは女性だが、前任のボスは男で、社員のやることにはほとんど口を出さない懐の深い人物だった。ほとんど社員に任せてくれるが、重要な事項はきちんと意思決定してくれる理想的なボスだったと言える。かわって、今のボスは社員ひとりひとりの就業態度や、作成した書類の一言一句にまで口を出す細かい人だ。かつて社員の一人が作成した書類を見て「ここの文字と文字のあいだだけどね、半角になっているから全角になおしてくれるかい」と指示したことがある。全角と半角のわずかな差も見逃さなかったというエピソードは、生きながら伝説と化している。現任のボスと前任のボスとのスタンスの違いは、二人のサッカー日本代表監督になぞらえることができる。前任のボスは選手に何も言わないジーコタイプで、現任のボスはパスの長さひとつにまで注文をつけるトルシエタイプである。どっちが良いとかは言えないが、どっちのボスの時にも会社はうまく回っている。ボスの話は置いとくとして、俺の親方(直属の上司)だけは何とかしてほしい。毎日昼休みに決まって外に出るが、そのときに着るダンロップのジャンパーがいやでいやでたまらないんだ。
 HDDに録りためた年末年始の番組をようやく片付けはじめた。笑福亭鶴瓶冠番組が3本と多いことに気付いた。俺、意外と鶴瓶ファンなのかも。「どんなに不景気だって恋はインフレーション」とモーニング娘。が"LOVEマシーン"の中で歌ったのは99年秋だった。その頃から比べれば景気も上向いてきたようだが、俺の給料が上がらないのは腑に落ちない。小泉純一郎氏が俺に臭い飯を喰わせるのだ。実は小泉純一郎氏は昆虫の交尾が大好きで、笑福亭鶴瓶と対談をしたときにもトンボの交尾の話ばかりしていたそうだ。世間から変人呼ばわりされているが、正しくは変人じゃなくて変態なんじゃないかと思った。
 …細胞が招くあなたはあたしの五感を魅了し、飾らない月より紳士で、草木より心が見えない