イナバウアーだらけ

 街へ出たら、老若男女いたるところでイナバウアーのポーズをしている。さすが金メダルの影響は大きい。そもそもこの技は、50年代の後半に西ドイツのイナ・バウアー選手が初めて披露したことからこう呼ばれるようになったそうだ。
 自称"白河のメグ・ライアン"は「脳を鍛える大人のDSトレーニング」で(仕事が遅番のとき以外は)20代をキープしているらしい。集中力が肝要かと思うが、俺の場合は3秒に1回ぐらいスケベなことを考えちゃうから成績が上がらないのだろうか。
 エンジン01で、聴講する俺の後姿が今朝の新聞に載った。さも納得したような精悍な後姿だが、脳年齢51歳のキャパシティに果たしてどのぐらい講義の中身を詰め込めたのだろうか。
 今日は6のつく日なので意気揚々とスロットのイベントに出かけたが、流れにうまく乗ることができず、かなり散財してしまった。一時期、プロに転向しようかと思うぐらい調子が良かったが、所詮は一時期だけだった。下天の内をくらぶれば夢幻のごとくなり。いいんだ、破産したら棚倉村の山奥で"幸福のねじ"というねじ屋を営むんだ。「いらっしゃいませ、ねじ屋の親爺です。まずはドリルで頭をえぐります。ヒヒヒヒヒ。左廻りは闇と破壊への道、右廻りは光と再生の道。どちらでも…」
 …神の思いを軸に働くのがそう「人」ならば、捨て駒になるまいともがく私は今、短く役立たずなこの触覚で、何かを探しだすのに必死で生きる