押絵と旅する男

 トリノ五輪でようやく日本人選手がメダルを獲得した。アテネ五輪では猫も杓子もメダルを獲ってしまったので、各メダリストへの注目度が薄らいでしまった感がある。トリノ五輪のメダリストは現時点で一人だけなので、荒川静香さんがマスコミにもてはやされることは間違いない。俺が数週間前にブログで取り上げた男子フィギュアのプルシェンコ選手は、ぶっちぎりで金メダルを獲得したようだ。
 ETCを初体験した。通称"原町のモリエンテス"をして「あれほど便利なものはないよ」と言わしめたほどの代物だが、一旦停止&代金支払いという有料道路の唯一の煩わしさが一気に解消されてしまった。ものすごく便利だと思ったが、っていうか今までがなんだったの?っていう気分にもなった。
 「脳を鍛える大人のDSトレーニング」をやってみた。はじめは脳年齢33歳。慣れればすぐに20代になるだろうと思って、もう一回やったら47歳に一気に老化してしまった。気を取り直して翌日にプレイしたらさらに老化は進み、なんと51歳と診断されてしまった。実は脳年齢には自信があったんだ。すごく悔しい。
 酒を飲んで寝ると眠りが浅くなるせいか色々な夢を見る。憶えているのは、競馬場の駐車場で偶然長州力長州小力じゃなくて本物のほう)に会い、ハズレ馬券にサインをもらうという夢だった。
 オープンしたばかりの大規模なショッピングセンターへ行ってみた。すこぶる気合の入った売場に圧倒された。オープン直後のこの売場をずっとずっと維持できればたいした店だ。
 映画「県庁の星」を鑑賞した。期待を裏切らない内容ですごくおもしろかった。民間企業を改革することは簡単ではないが可能ではある。が、行政のほうを改革しようと思ったら障壁だらけで不可能に近いと思った。ひとりが躍起になっても"周りの人間"と"仕組みそのもの"が保守的だから。俺も書類作りの速さとわかりやすさでは織田裕二(野村聡)にひけをとらない。この映画の織田裕二(野村聡)のように、スーパーマーケットと県職員の両方の経験を持つような人間が世の中には必要なのだと思った。ちなみに某スーパーの某マネージャーは「消防署の査察」のことをしきりに「消防署の射殺」と発音しており、間違いを指摘すると「それじゃ射ち殺されちまうもんなあ」と言いながら壁に後頭部をぶつけんばかりに爆笑していた。
 俺もこの頃わかんないよ、査察か射殺か。脳年齢51歳だから。
 …生き急ぐ私は、「空」のようなスピードの時代を擦り減らすその手を止めたいだけ。イカレタ話だと笑うでしょう? それでも自ら朝を積む