未遂

 今朝、危うく野良犬を轢きそうになったがナイジェル・マンセルばりのブレーキコントロールで回避。俺、プロのレーサーになろうかな。
 メタリカのドキュメンタリーを見終えた。セイント・アンガーが完成に至るまでのお話だったが、ひとつの作品をつくるのにどれだけ時間と手間が必要か、というのがよくわかった。新ベーシストのオーディションでロバート・トゥルージロに心酔し、いきなり100万ドルを払って契約してしまうあたりはさすがモンスターバンドだと思った。コロージョン・オブ・コンフォーミティのペッパー・キーナンや、元マリリン・マンソンのトゥイギー・ラミレスらも参加したオーディションだったが、ロバートは群を抜いて評価が高かった。他の参加者が110%の力でプレイしていたのに対し、ロバートは90%の力で同じレベルのプレイをしていた。たしかに速い曲にも余裕で対応していたし、音もラウドだった。
 俺は、ビートルズを単なる平和主義な4人組だと思っていたが、結構ユーモアのセンスに長けており、反骨精神を持った人たちだったということを最近知った。たとえば「ベートーヴェンをどう思う?」という問いに対する「いいねえ、特に歌詞が良い」というリンゴの回答。「宇宙ロケットをどう思う?」という問いに対する「ひとつ見たら、あとは全部同じさ」というジョンの回答などなど。
 …焼き色がついた皮にナイフを立て、命と命の交換を繰り返す。身も尽きるまで泳いでいた魚も、色づいて間もない鮮やかな果物も。香ばしい匂いの旗や地図は、分かち合うために存在したはずだった