驕れる俺は久しからず

　今月はスロット無敗と威張っていたが、昨日それを帳消しにしてしまった。勝った時点でスパっとやめられず、ずるずると閉店まで打ってしまった。そこの店の常連で、俺が秘かに"ぬし"と呼んでいる男の姿を見かけなくなったので具合でも悪くなったのかと心配していたが、昨日は元気に吉宗を打っていた。別れの際に「いくら勝ったんです？」と聞いたら、得意げに指を２本出しやがった。２万じゃないよ、２０万だよ。"ぬし"は俺にプリッツをくれた。"ぬし"がくれたプリッツを食べれば少しは運が向いてくれるかなあ。
　耐震計算書偽造問題の姉歯建築士。偽造したのは耐震計算書だけではなかったんだ。いわば俺はヅラのソムリエ。俺の目だけはごまかせない。
　本格的な冬に向けて、ますます髪を短くしてみた。キューっと寒くなって、そしてそれが緩む頃にはまた伸ばしてみよう。髪はロックンローラーの命である。ロックの世界では"楽器を手に入れるより先に髪を伸ばすべし"と格言があるほどだ。
　行き着けの美容室の店長は、つい最近ロレックスを１本購入したが、息子が２人いるため、自分が亡くなったときに喧嘩にならないようにもう１本購入しようと画策していた。儲かるんだな、美容師って。
　色々調べているうちに、福山雅治や反町隆史もブライトリングオーナーであることが判明した。俺がブライトリングをゲットしたことに関しては（主に金銭面で）驚かれることも少なくない。そんなときはこう言ってやるんだ、「何を驚いているんだい？　ブライトリングを買うことなんて俺の人生でももっとも簡単なことのひとつなのさ」と。だって、実際にそうなんだから。
　例のポスター、赤ちゃんの股間部分をアップにしてみた。ライターと時計とぽこちんは男のシンボルですから。
　…僕が何千マイルも歩いたら、手のひらから大事なものがこぼれ落ちた。想い出の歌、口ずさむ。つながらない想いを土に返した