もしも背中から翼が生えてきたら

　前シリーズの大奥では、松下由樹扮するおふくに感情移入したが、今回の大奥ではいまいち感情移入できるキャラが見つけられなかった。今週のクライマックス、小池栄子と内山理名の壮絶なビンタ合戦を見て、今回は小池栄子を応援することに決めました。ああいった女性同士の喧嘩って衝撃映像ですな。ちなみに前の職場の友人が、生まれてはじめて女性同士の喧嘩を見たのは高校時代で、同級生の女子がもう一人の女子に「おめえ、あとで馬場神社の裏まで来いや!!」って凄んでいたそうだ。ああ恐い恐い。ちなみに"女性版ジェロム・レ・バンナ"の異名をとる人と一緒に仕事をしたことがあるが、俺のカメハメ波でもかすり傷ひとつ負わせられなかった。ああ恐い恐い。
　職場で、ある備品を購入したいという話が浮上したが、小心者の親方がネガティヴな方向にばかり話を持っていくので断念した。親方の言うことも解らないわけではないが「豆腐のカドに頭をぶつけて死んだら大変だから豆腐は食わない」と言っているのと同じく聞こえた。あの人の下では能動的な仕事なんてできないのだ。
　がっかりした俺は、二階のベランダへ出てダンスをしだすんだ。頭の中にずっと鳴り続けているクラクションを思い浮かべながら。もしも背中から、白くてやわらかな翼が生えてきたら、ここから飛び降りたって死んだりはしないのに、、、。あ、そうだ。数日中に俺は翼（画像）を手に入れるんだった。
　２１歳の女性に「あたし髪が短いのと長いのとどっちが似合いますか？」と質問された。俺はひたすら答えをはぐらかす。「なるほどね。こんな話知ってるかい？　かつて日本最強のプロレスラーと言われた高田延彦が400戦無敗のヒクソン・グレイシーと戦うことになった。下馬評では圧倒的に不利。当時、人気絶頂だった高田延彦が負けるというリスクを背負いながらなぜその勝負を受けたのか。それは、高田が"男"だったから。結局高田はボコボコに負けた。負けたけども…、何が言いたいかわかるね？」と。それで「うん」と言わないようなら「じゃ、この話知ってるかい？　かつて織田信長と今川義元が相まみえた桶狭間の合戦。戦力的に圧倒的に劣勢だった信長軍が勝ったのはなぜか？　俺もそこらへんのことはパっと出てこない。でもまあ、やっぱ信長ってスゲーなーみたいな空気だけ伝わってたらそれでいいと思うんだよね、うん」としらばっくれる。それでも納得しなければ「あとは自分で考えろ」と言って逃げる。っていうか、髪が長かろうが短かろうがパンツの中身は同じだもの。ってこのバカタレが!!＞俺
　…四つ角の悪魔に会う。ここがモダングレイヴヤード。たかがそれだけを誇る為、何を捨て、胃から込み上げる塊の味を知れ。そして馬鹿みたいな顔ばっか