物欲マキシマム

 職場の対面の席のプロゴルファー猿みたいな顔の人は、トリビア王というか上田晋也ばりのうんちく王だ。エスプレッソコーヒーは単純に濃く入れたから苦いんだと思っていたら、そうじゃなくてあれは豆をこがした苦みなんだとプロゴルファー猿みたいな顔の人が言っていた。親方は「炭焼きならいいけど、焼きすぎて炭になっちゃったりしてな、困った困ったうひゃひゃひゃひゃ」とか言って機嫌良く笑っていた。ちなみに自身の持つ回転寿司の最高記録は12皿だそうだ。リアクションを取りづらい中途半端な記録である。
 午後から郡山のほうへ仕事で出かけたが、用事を終えてから某デパートへ寄った。お目当ては、ブライトリングフェアである。"フェア"と銘打っているだけあって品揃えもなかなか良いが、店員の博識さ(ここの店員と比べると、金●堂の店員がいかに無知なのかわかってしまう)に恐れ入った。こちらで欲しがっている情報を、求めている以上にこと細かく説明してくれる。恋が愛に進化したとでも申しましょうか、もともと惚れていたがますます欲しくなり、どうしても手に入れたいと思うようになってしまった。たぶん買うわ。そしてクラブ・ブライトリングの会員になるわ。帰りの車の中で「クラブラブラブ、ブライトイトイト、リングングング…」という言葉が残響音を含みながら繰り返し繰り返し聴こえてきた。とりえあず財産形成貯蓄を引き出す手続きからはじめますから。
 …嘘もいい。苦悩もいいが、言い訳してると大抵不幸になったよ