足りないアタマをフル回転

　先週は一週間のうちの４日間も通院してしまった。細長い鉄管のような医療機器を使って鼻水を吸引するのだが、吸っても吸ってもまだまだ吸い続けるので相当量の鼻水がつまっていたものと思われる。きっと脳の中まで鼻水だらけだ。ようやく快方の兆しが見えたが、最低あと一回は通院するように言われている。
　わんわんワールドで犬と戯れてきた。ブルドッグのカイくんは俺のことを覚えてくれていたようで嬉しかった。相撲をとろうとしたが体調万全ではないのでやめておいた。徹夫、風邪のため秋場所を休場。
　レッズの田中達也の骨折は酷い。スポーツ紙の写真で見たら、足がすごい方向を向いていた。天下一武道会で足がすごい方向を向いて負けたのはヤムチャだったっけ？
　風邪が治れば酒が飲めるだろうか。給料前はセコくなる。一本のタンタカタンの瓶に十五等分の目盛をふり、毎日きっちり一目盛ずつ飲み、たまに度を超して二目盛飲んだ時には一目盛分の水を埋合せたりするのだ。そして部屋の電気を暗くして背中を丸め、ちびちび酒をなめるように飲んでいる。「ごめんください」などとお客さんの声がしようものなら「来たな！」とキッと身構えて、「この酒飲まれてたまるものか！　この瓶は戸棚に隠せ、まだ二目盛残ってるんだ！　明日とあさってのぶんだ！　このグラスにもまだ少し残っている！　これは寝酒にするから風呂敷でもかぶせて押入れに隠せ！　さて、抜かりはないか！？」と部屋中をぎょろりと見回して、それから急に猫撫で声で「どなた？」と接客するのだ。
　明日は仕事だけど俺に期待しないでください、鼻水と一緒に脳みそまで吸引しちゃったから。
　…たった今その声が聴こえたような気がしただけ。たった今どこまでも行けるようなそんな気がしただけ。忘れらない想いがこの胸に刻まれてくだけ。たった一秒一秒がそれだけが真実だっただけ