徹夫は夢の中

 晩御飯食べてから夜中の12時まで眠った。9月に突入したというのにクソ暑い。"クソ暑い"という表現がしっくりくるような暑さだ。会社の人のアポクリン腺からも容赦なく体臭が分泌され、俺の鼻をつんざく。犬の嗅覚は人間の10万倍だそうだ。俺、犬に生まれなくてよかった。
 会社の天井にぶら下がっていたオニヤンマが尻尾のあたりをウニウニ動かしたと思ったら、俺がしこしここしらえた書類に糞を落としやがった。糞は公衆便所かINAXの便器みたいな顔した親方のところでやってくださいよ、もう。
 ぼくパンクロックが好きだ。映画化された「NANA」の影響で、ヴィヴィアン・ウェストウッドに身を包んだにわかパンクスが街に溢れそうだ。俺もピストルズのTシャツとか着たいけど、にわかパンクスに見られちゃいそうだから、あえてスマップのTシャツとか着てやろうか。これこそがパンクの真髄、反骨精神である。ぼくパンクロックが好きだ。
 …夢中で時にははしゃいでる。不安で時には引っ込んでる。自分の夢は現実だよ、一生覚めない夢なら