回胴黙示録

 夏祭り当日、ここぞとばかりにおめかしする男子中高生の姿が目に付く。つけたことのない整髪料のサジ加減を間違えて髪の毛はベッタベタ。吸ったことのないタバコは煙を肺まで入れられない。あわよくばロストヴァージンしてしまおうと必死である。自分が青リンゴだった頃を思い出し、気恥ずかしくも微笑ましい。
 カイジ押忍!番長にこっぴどくやられた。理性が働くのは1万円までで、それを超すと感覚が麻痺してわけがわからなくなってしまう。しかしおかしい。1年前の今頃は勝ったり負けたりだったのに、今年は負けっぱなしだ。たぶんおかしいのは俺じゃなくて店側じゃないかと思う。
 BURRN!誌の影響と考えられるが、洋楽ファンのホームページを見るとアルバムに点数をつけて自己満足している輩が多い。俺に言わせれば、作品の評点はそのつど変化するもので、聞く時期やそのときのシチュエーション等によって受け止め方も変わってくる。俺なんて初めてSLAYERを聞いたときは全く受け付けなかったが、今では一生聞き続けられるアーティストと認識している。
 仕事の足音がますます近づいてくる。今度親方の顔を見たら「おまいが通ったあと、部下が鼻をつまみよるんじゃ。靴を隠されるから、それを俺がこっそり出してやってるんだ」って言ってやる。
 …魔法は二度と解けない。十年単位で起きる。森の中のスター、女王陛下の足にからみつく白いヘビ、白いヘビ