アゲハ蝶

 リーガ・エスパニョーラバルセロナの優勝が決まった。バルサは優勝すると思ったが、レアルがここまで追い上げるとは思わなかった。ルシェンブルゴ監督が続投するなら来シーズンのレアルは久々のリーグ制覇もあり得るでしょうな。
 ようやくフロム・ヘルを観終わった。ハッピー・エンドともバッド・エンディングともどちらにもとれるラストだったが、切り裂きジャックの実話を斬新な切り口で描いていてなかなかおもしろかった。ジョニー・デップはノン・フィクションものを演じる機会が多いが、この作品でも好演していた。サッカーの試合と映画は似ている。サッカーのビッグクラブ、たとえばACミランだって内容的にどうしようもない試合をすることがあるが、それでも観客が楽しめるのは個人技(シェフチェンコのドリブルとか)でスタジアムを湧かせられるからだ。映画も同じで、(決して「フロム・ヘル」がそうではないが)駄作でも名のある役者が光る演技をしてくれさえすれば、案外全編を通して楽しめるものなのだ。かのオジー・オズボーンまでが「私の人生を映画化するのなら、私の役はジョニー・デップしかいない」と言うほどジョニーの演技力には定評がある。
 "ポジティヴな人"と"ネガティヴな人"。人間は概ねこの2タイプに分けられるが、自称"二本松の牛若丸"は後者にあたる。これからひくクジなのに、初めから「ハズレ」と決め付けてしまうのだ。「頭こねくりまわすよりも肚くくれ」と言いたい。一度注文した料理は残さずに最後まで食べるのがマナーである。彼をネガティヴな人間に至らしめた原因は、彼のこれまでの女性遍歴にある。過去数回に渡ってゴリラの檻に放り込まれそうになったことがあり、それがトラウマになっているという説が有力である。それでもリスクを冒して料理をオーダーしたのだから最後まで食べる義務がある。今年の夏が見ものだわい、ひひひひ。
 仕事はすっかり落ち着いた。落ち着きすぎだよ。今日なんて。雨宿りするアゲハ蝶のようにじーっと静かにすごしていた。
 …永遠の日照りの中、一滴の水も無しでなんて生きられないだろ。渇いた喉を潤すための、いつまでも絶えることのない