露出狂の詩

 モーニングアタックが強烈で、目から煙が出るほどこすりまくってしまったが、日中はマスク着用で比較的楽に過ごせた。マスクしてると「あれ? あんたも花粉かい?」と聞かれるから、そんなときは「はい。ウメ花粉ですが」と答えてやるのだ。"ウメ花粉だ"と金輪際言い続けることにした。
 福島のデルピエロ改め"福島のマハダビキア"は本社勤務を命ぜられ、女性の近くでわざとらしく書類を落としてそれを拾い合うところから恋愛をスタートさせようとしている。まるで20年前のドラマのような手法だが、そんな"始まり方"に強烈に憧れる俺はとても純粋だと思う。来年度、俺が本社勤務になった暁には"福島のマハダビキア"のお宅に下宿させてもらうことになった。アセドアルデヒドを一瞬で分解できるぐらいの肝臓に、今から鍛えておかねば。
 通称"八山田のディディエ・ドログバ"は、名倉潤渡辺満里奈が結婚することに関して大いに腹を立てていた。「っていうか、なんであんなラクダコオロギみたいな奴と!!」って怒っていたのだ。ラクダコオロギがラクダコオロギのことを怒るんだからよっぽど頭に来たのだろう。数日前は落ち着いていた咳も悪化していた。ジャイアンツの連敗は止まっても彼の咳は止まらないんだなぁ。その咳が風邪なのか花粉なのかハッキリしてもらいたいし、ラクダなのかコオロギなのかもハッキリしてもらいたい。
 今日もシエンタ(愛称:ムッソリーニ)のオイル交換ができなかった。翌日に仕事を残さないで帰ってこれたから今日はなんだか気分がいい。5月並の陽気だってさ。夜の外気が生ぬるいとエロスな気分になる。露出狂の気分もわからなくもない。あとは理性の問題だけだ。俺がそっちの方向に狂わないのは理性があるからだ。
 …鋭利な鋭利な喫茶店には、シガレット、ボサノヴァ、スィーツ、ベーコンエッグサンド。無意味な過去のテーブルで、ほおづえ付いたらまた斬られるぜ