音色

かつて"絶望ヶ丘のブタ"と恐れられ、便所の鏡で自分撮りをしてしまうなどまるで便所を我が部屋のように使っている男は、自分の車は駐車スペースではない場所にドカン!と停めるくせに他人が間違った場所に駐車しているのは許せないらしく、滑稽なボディランゲージで世直し役をかってでていた。その滑稽なボディランゲージを演じる姿は、まことに滑稽な光景であった。滑稽な光景ではあったが、逆ギレして殴り合いになるんじゃないかと、こちらサイドとしては冷や汗モノだった。
その男は今週も海物語で莫大な利益を稼ぎ出し、俺にコミック一冊と晩飯の恩恵をもたらしてくれた。おかげで自害せずにすみました。そうやって自分の財布から金を掃き出すことが、博打で勝つ秘訣なのかも知れない。
今日は街を闊歩する女性が全員ブサイクに見えた。スロットで負けた日は女性がブサイクに見える。逆に勝った日は、保田圭みたいな人にすら「俺あんな人と結婚したいわ」とか思ってしまう。「美しさ」って一体なんなんスかねえ?
人呼んで"八山田のアナン事務総長"とはこの頃会う機会がなく、どんな顔をしているのかスッカリ忘れていたところだったが、金曜ロードショーの「もののけ姫」を見て、おこと主様が祟り神になった瞬間にあの顔を思い出した。静まりたまえー、静まりたまえー。
CDを買うってことは催眠術にかかることと似ている。「愛してんぜ音色You're my baby」のメロディが耳から離れず、クレバのアルバムを買ってしまったんです。徹夫がスチャダラ以外のヒップホップアーティストのアルバムを買うのは極めて異例の事態。娘ができたら「音色」って名前をつけようか。悪くないね。
アルバムまで我慢できず、ROSSOのシングルを買いました。ブランキーともミッシェルとも違う、とてもROSSOらしい曲だと思った。ひいきにしているバンドが解散してメンバーがそれぞれ別のバンド組んだりソロになったりすると、どれもこれも欲しくなるから徹夫の部屋のCDの枚数がネズミ算式に増えていく。勘弁してくれよバカ野郎この野郎おめえ!ひき殺されてえのかバカ野郎この野郎おめえ!せっかく楽しく合コンしてるのに「あたしどうせブスだから」のひと言で雰囲気台無しにしてんじゃねえよバカ野郎この野郎おめえ!
東村と言う土地は遊ぶところも行くところもなく、若者はホットスパーにたむろっている。かく言う私も、この棚倉村ですることと言えばスターバックスでコーヒーを飲むことぐらいですけどね。
俺のボスは月曜日休むんだってさ。4連休だってさ。余はまつりごとじゃ。煮るなり焼くなり好きにせよ。煮るなり焼くなりコロ助なり。
…どうやら神様に憧れ過ぎてしまったようだ。そして帰り道を失った