気管支トーマス

著者近影

今日も咳は落ち着く素振りをみせません。もしかして気管支炎になっちゃったんだろうか。
一気に栄養を付けようと思い、お気に入りのビーフシチューを出してくれるお店に行った。数回通ってたから顔を覚えられたようで、シェフに「うちのビーフシチューはお口に合いますか?」とか聞かれた。「日本一おしいよ」と答えておいた。シェフの口のつけヒゲもとれそうなほど白々しい光景だったが、割と本気でそう思っている。肉であることを認識できるギリギリの柔らかさまで煮込んであり、味と香りの輪郭がはっきりしている。そんなにおいしいビーフシチューを出す店なのに、いつも客がいない。「うちのビーフシチューは、何というか、陰影が強いでしょう? 最近の若い人はそれを敬遠する傾向にあるんです」と、とれかかったつけヒゲをなおしながらシェフは言った。だんだん寒くなるからビーフシチューがこれからますますおいしく感じますな。
通称"八山田のサミュエル・L・ジャクソン"は、握りたての寿司がどうのこうのってメールで講釈をたれてきたので、「おまいは己れのおいなりでも握ってろ」って返信してやった。冗長なメールが心に響くとは限らない。たとえ一言でも、強烈なスタッカートを刻めば相手に与えるダメージは大きい。ドラクエ的に言えばまさに「会心の一撃」であった。
GO!GO!7188の「赤い月に吠える夜」はドラムがとっても気持ちよい。どこもかしこもフィルインの仕方が傑作。ジグソーパズルの最後のピースを当てはめるかの如くエクスタシーを感じるようなフィルの連続であります。
最近のミムラが急に老けたように見えた。でも確かな演技力と落ち着いたルックスで息の長い女優さんになりそうですな、ミムラとか小雪とかは。
新紙幣、ぼちぼち徹夫の財布にも出たり入ったりしている。子供のときに遊んだおもちゃのお札みたいだ。壱万円札だけ変更なしってのが腑に落ちない。俺が日本銀行の頭取だったらインリン・オブ・ジョイトイの肖像使うね、もちろんM字開脚のポーズのやつ。っていうかインリンは日本人じゃないから駄目か。
ブログを立ち上げた最初の日記に「さぁ、16小説の旅のはじまりだぜ」とか書けば良かった。今、思いついても遅いってば。
…今夜天にいちばん近い海の底で羽根を広げ、左胸で踊り狂うイカれた臓器のような、赤い月に吠えた